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第二十一話 ページ21

あれから何日経っただろう。
今日からまた学校が始まる。
休みが明けるのは正直嫌だと思う。皆もそうなのではないだろうか。
でも私は、今日からまた(人3)先生に会えることが嬉しかった。

「あら、おはよう。今日は何だか気分が良いのね」

「まぁね」

お母さんが珍しそうに私を見ている。
私はというと、机に置いてあったパンにジャムを塗り、「いただきます」と言ってから食べる。
ひたすら食べていると、お母さんが爆弾発言をした。


「(人3)先生に会えるのがそんなに嬉しいかしら」

「んぐっ」

飲み込もうとしていたパンが喉に詰まった気がする。
急いで近くにあった牛乳を口に流し込み、やっとパンを飲み込んだ。
しばらくの間咳き込んでいたが、落ち着きを取り戻した。

「お母さん、変なこと言わないで」

「え? だって貴方、(人3)先生の話ばかりしてたじゃない」

だから好きなのかなって、とお母さんは付け足す。
あれ、前にもこんな会話があったような……と思い出してみるが、まぁそんなことはどうでもいい。

「だから! 好きじゃないって!」

ムキになって言い返す。
そして二階の自分の部屋に置いてある鞄を持って、玄関まで行く。
「行ってきます!」と大きな声でお母さんに言ってから、走って学校へ向かった。

お母さんは私の本心を分かっているのだろうか。
それともただ思いつきで言っているだけ?
ああ、全然分からない。


ちらりと腕時計に目をやる。
今はまだ七時三十分くらいだ。
家から学校まではそこまで遠くないので、このまま走り続けると四十分くらいには学校に着いてしまう。
でも、たまに早く行くのもありか。
なんて考えながら走った。



「教室、開いてないじゃん」

はぁはぁと肩で息をしながら、まだ開いていない教室の扉を睨んだ。
あのまま走り続けた結果、予想通り四十分くらいに学校に到着した。
この時間に来る生徒はいないみたいで、廊下はガランとしている。
いつもなら廊下で話す生徒たちが大勢いるから、何だか違和感がある。

このまま教室を開けに来る先生を待つのも嫌なので、職員室に鍵を取りに行くことにしよう。
はぁ、と大きくため息を吐いて、職員室へ向かうために左を向いた、その時。


「あれ、(人1)?」

「へっ……え、先生!」

目の前には私の大好きな(人3)先生がいた。

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作者名:りつ(みずりんろーる) | 作成日時:2018年11月26日 17時

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