滑稽なおとぎ話【ボカロ】【オリジナル】 (ページ2)

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第二小節ページ2

厨房に入る前に、壁に貼ってある『献立役割表』を見る。
『サラダ:ピノワール・シュクレ』
確認し終わったら、手に持っていた三角巾をつけ厨房に入る。

厨房に入るとまず焼き窯のいい香りがする。次に包丁とまな板の小気味いい音、窓から差し込む陽光に照らされ光る食器たち･･･
ピノワール様は作業台で紅茶を淹れていた。

「ピノワール…？」

紅茶を淹れているピノワールの顔を覗き込んで言った。

「ん？あぁ。サラダの野菜は切っておいたから。」
指差した方向に目を向けるとレタスやミニトマトなど、新鮮な色をした野菜がボウルにいれてあった
あとは盛り付けをしてドレッシングをかけるだけだ。

サラダフォークで野菜をお皿に盛り付け、シーザードレッシングをかけていく。
できたお料理は配膳カートに乗せる。
全てのお料理が完成したら食事室へ向かう。

食事室の流しテーブルの椅子には既にゼラト様、女王陛下のマドレーヌ、リリジュ様、その婚約相手のイヴァン様、神父に護衛の人が座っていた。
けれど妙なのが客人用の椅子があることだ。
客人が来るなら事前に伝えてくれるはずだ。

疑問が浮かびつつもテーブルにお料理を置く。

いつもならゼラト様のかけ声が聞こえてくるはずだが、今日はゼラト様は椅子から席をたった。

「今日は客人が来ている」
一瞬だけ給仕達はざわめいた。

ドアの前に立っていた護衛の人らが食事室のドアを開けると、そこには女性が立っていた。

「どうぞ、お入りください」
マドレーヌ様はそう促した。

彼女はそれに応じてゆっくりと歩き、椅子の前に行った。

「急でしたもので……私は占い師、ファーファ・カラトと申します。ファーファと呼んでくれたら嬉しいです。」

宮殿に占い師!?かわいらしい人ね…
給仕達はまたざわめきだした。

「静粛に」
神父がざわめきを絶った。
それと同時にファーファは座った。

「では、いただこう」
『いただきます』

ファーファはボストンバッグの中からカゴを取り出し、サンドイッチを食べていた。

「紅茶、ぜひ飲んでみてください」
ニコッとリリジュ様が紅茶を差し出した。

「あら。ではいただきましょう」

朝食の時間が始まった。