Noir＆Fukuminのオリジナル合作！【オリジナル】 (ページ9)

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第6話因縁ページ9

町外れの廃墟で、拳銃の発砲音が多数響いている。

拳銃の鉛玉が飛び交う中、一人の影がそれをものともせずに手に持った短刀だけで相手を圧倒していた。

一切無駄な動きはなく、流れる様に、確実に相手の急所を狙う。

数秒経つ頃には、その場で立っているのは一人の影──舞白怜だけたった。

光のない目で頬に付着した血を拭う怜。

拭った手を力無く下げ、辺りに転がる人間だったものを一瞥して二階へ続く階段を探しにその場を後にした。

歩き出す際の怜の横顔は、どこか寂しさを感じさせた。

階段を見つけた怜が二階に上がると、かなり広いダンスホールがあった。

二階からは下が見下ろせるようになっている。

怜が入った入口の向かいには、さらに奥へ続く扉があった。

怜はキョロキョロと辺りを見回す。

辺りには誰もいない。気配も感じなかった。

少し疲労を感じたので、壁にもたれかかって一息ついていると、奥の扉がギィ、と立て付けの悪い音を立てながらゆっくりと開いた。

持っていた短刀を構え、戦闘態勢をとる。

「いやはや。流石ですなぁ、舞白怜さん。」

「お前、は……」

「お久しぶりですねぇ。まさかあの時のように乗り込んでくるとは思いませんでした。」

ノアズアーク・副リーダー＿＿＿エドル

思わぬ相手に吃驚している怜を知ってか知らずか、エドルは終始憎たらしい笑顔を振りまいている。

「あの時の貴方を思い出しますよ。」

「……黙れ」

静かに、だが地を這うような低い声で言う怜の顔は、前髪がかかっていてよく見えない。が、怒っているのは確かだ。

「そうそう、あの時の他の方々はお元気ですか？」

「！」

エドルの言葉に反応するように怜がピクリと動く。

「あ、すみません。そういえば他の方々は……」

“もう亡くなられたんでしたね”

「黙れ！！」

空気が震えるほど叫んだ怜は、持っている短刀を強く握り、相手に切りかかる。

「ふふふ……怒った時の貴方の行動は読みやすい。貴方が本気で作戦立案をすれば、私達は全くかなわないというのに。あの時も、貴方が怒りに任せて乗り込まなければ、他の方々も助かっていたのかもしれませんよ？」

「っ……！」

切りかかろうとしていた怜の動きが止まる。

エドルは歪んだように微笑み、漬け込むように甘い言葉で怜を誘惑する。

「後悔しているのでしょう？ならば、このまま忘れてしまいませんか？」

「忘れる……？」

「そうです。私が忘れさせて差し上げます。」

エドルが怜の額に手を添える。

バチッ──！

第7話人探し→←第5話突然の悲劇…？