57柱 ページ36
江雪(榛)side
江雪＊「覚悟……ですか………？」
『あぁ、そうだよ』
戦うことに、覚悟が必要なのは重々承知しているつもりですが……
『江雪さんはさ、何で争いが起こると思う？』
江雪＊「…？？それは…」
そう問われると、答えに行き詰まりますね…
『答えは、人間が人間だからだ』
包丁＊「？どう言うこと？」
『ふふ、人間には必ず、善と悪の心がある。これはどんな悪人でも聖人でもだ』
それは…そうでしょうが……
『戦争っていうのは、要は正義と正義、悪と悪のぶつかり合いだ
誰かの正義は誰かの悪、誰かの悪は誰かの正義。それだけ
正義と悪のぶつかり合いは起こらない。何故なら決してぶつからないものだからだ』
江雪＊「……正義と悪、では……衝突するのでは…？」
『しない。正義と悪は同じものだからだ。正義と悪の根本はおんなじなんだよ
正義の反対はもう一方の正義。それは逆もまた然り』
成る程……同じものは、ぶつかりようがない
違うものでなければ、衝突することは、ありませんね……
『だから人間が人間である限り、争いは絶えないんだよ』
江雪＊「そうですか…」
『まぁ、人間の業だねぇ。でさ、ぶつかり合いなわけだ、想い同士の
それを止めるためには、それ相応のものでないと不可能』
それは、そうでしょう
端から見れば歪んだものでも…その人物にとっては、信念でもある…
簡単に止められる筈がありません
『…あなたは、和睦を望んでるんだよね？』
江雪＊「え、えぇ…」
『なら尚更、強くなるしかないよ』
悲しそうな、それでも強い瞳で彼女は続ける
『言葉は万人に平等に与えられたものだ。でも、だからこそ軽い』
江雪＊「軽い、ですか？」
『そう。要するに、言葉を誰かに届けるためには説得力という重みがいる
それ相応の強さあって初めて和睦は叶うんだ』
思わずハッとさせられた
それはその通りで、説得力も無しに和睦など、出来る筈もない
『良い？争いは避けられない、絶対。だから守る力を、伝える力を持て
いざというとき後悔するのは自分だ
力を、刃を傷付けるためじゃなく、“守る”ために使え。振るえ
何だって使い方次第だ。だから、それをするための覚悟を持って』
彼女の言葉の一つ一つが、とても重く感じられる
彼女は相応の強さを持っているから…こうして言葉を届けられるのですか…
……ならば、私が目指すべきなのは、強くなることなのでしょうね…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零月 - 雲雀さん» こちらこそ、この作品を読んでくださりありがとうございます。一つの切欠となれたなら嬉しいです (2021年7月5日 20時) (
レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - これを見て本誌を読みました。このお話のおかげで｢神様の御用人｣と言う本に出会えました。作ってくださりありがとうございます。更新楽しみにしています！これからも頑張ってください (2021年7月3日 22時) (レス) id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 零月さん次はヒロアカを最新してください！ お願いします！【土下座】 (2021年5月15日 18時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
リゼ - 零月さん» 初見です。 面白かったです。 お願いがあります。CODEVEINというかゲームがあるのですがチートな夢主ちゃんが転生してしまう物語が読みたいので出来たら作ってください。 お願いします。【土下座】 (2021年5月12日 20時) (レス) id: dd065062e2 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - 冬花さん» 神様って結局は人間が“災害”とか“恩恵”とかを都合良く解釈して当て嵌めたものなので、崇敬しつつ多少怖れるくらいが丁度良いのかもしれませんね (2021年4月24日 17時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
