36柱 ページ40
noside
Aが目を向けた先には、政府の役人が三人ほどいた
役人達は肩をビクリと揺らし、硬い動きのまま席についた
当然だ。出雲の王に三貴子の一柱の娘、そしてかつてその金色で恐れられた京の方位神
その三柱が目の前にいるのだ
緊張、恐怖、などという生易しいものではない
神々にとって人の子は舞い散る木の葉の一枚に過ぎない
Aなどのような例外を除き、神は情深い部分こそあれども
木の葉の一枚に過ぎない“人間”を気に掛けたりなどしない
加えて、政府は彼らにとって“特別な一枚”である御用人に手を出した
それも最も最悪な場面で
御用人本人が彼らの抑制力となり制しているからこそ手出しはしていないが…
その奥底では怒りが渦巻いている
Aという存在が“やれ”と言えば、彼らは政府など意図も容易く消せるのだ
それほどの怒りを政府は買ってしまった
神々、そしてAの機嫌を損ねる事は
政府にとって“死”を表している
故に、慎重にならざるを得ない
席に着いた役人達を見てAも席に着き
新しく打ち直した二振りの刀を置いた
背筋をピンと伸ばし、柔らかな笑みを浮かべ真っ直ぐに役人達を見ると
穏やかに、だが逃がさぬというようにその眼で捉え
一切の隙を見せず、ゆっくりと口を開いた
『まずは初めまして。御用人の叶月Aです』
白鷺「は、初めまして…白鷺と言います」
篝「監査部、篝です」
朱羽「同じく監査部、朱羽です」
白鷺はおどおどとしながらもしっかりとした口調で
篝と朱羽は比較的平静を装って自己紹介をした
Aは彼らを“視て”、何かを確信したように頷くと
少し可笑しそうに笑った
『ふふ、そんなに硬くならなくて良いですよ？手出しはさせないので
あと、謝罪は結構です。気にしてませんから
私は寧ろ、“これ”を知れてよかったと思ってますし』
白鷺「そう、です、か…」
お見通しだとでも言うような声色と表情
これが数々の御用をこなしてきたAの常である
『あはは、まぁ無理か
さて、では早速本題に入りましょう
単刀直入に言います。私はここの審神者になります』
役人もそれを予想通りだとし
一息吸ってから答えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メグミ - 漢字を間違えて居ますよ,大倶利伽羅廣光ではなく本当は大倶利伽羅広光ですよ。 (2022年9月16日 2時) (
レス) @page33 id: 08246aac29 (このIDを非表示/違反報告)
Alba(プロフ) - え！？『神様の御用人』じゃないですか！！とうらぶ×御用人とか最高ですね！ありがとうございます！ (2021年6月25日 17時) (レス) id: f1f1c4633b (このIDを非表示/違反報告)
零月 - ありがとうございます！私も読んでる人が周りに中々いなかったので、そう思って貰えて嬉しいです (2021年3月7日 10時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - すごく面白いです。まわりに｢神様の御用人｣を知っている人がいなかったので感激です！頑張ってください！ (2021年3月7日 10時) (レス) id: ee2ee390ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
