新たな始まり ページ2
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あの日、私は死んだ筈だ
けれど私は、こうして生きている
所謂、“転生”というやつで、今は2205年だそう
新たな生を受け、すくすくと育ち十六歳となった
――黄金はどうしているのかな
――一言主は元気かな
――お華さんは秀郷の子孫に逢えたかな
生を受け、考えるのは
かつて“御用”を聞いた彼らの事ばかりだった
また縁があれば、彼らの“御用”を聞いてやりたい
きっと困っているだろうから((ｸｽｯ
そんなある日
私は、あの“大主神社”へ来て
鳥居の前で、軽く挨拶をしてそのまま帰った
―――お困り事はありませんか？あればいつでも言って下さいね
それだけ、心の中で呟いて帰路に立った
…今代の御用人は誰なんだろうね
そう考えながら
電車を乗り継いで最寄り駅へ戻り、横断歩道を渡ろうとすると
地下への階段に蹲る老人が一人いた
――あの時と同じ状況で、紺の着流しを纏い、二枚歯の下駄を履き
側に濃紫の風呂敷包みが転がっている
あぁ、全く
困った神様だ
老人の側に駆け寄り、背を擦る
『大丈夫ですか？救急車を呼びましょうか？持病等は持っていますか？』
あの時のように、冷静に、落ち着いて…
『……それとも、『わかば』の豆餅を立ち食いして、喉に詰まらせましたか？』
老人「……」
おや、少し驚いたかな？
老人の身体を私の膝を支えにうつ伏せにし、肩骨盤辺りを強く叩くと
何か白いものが口から出た
老人は咳き込むが、大事無いようだ
『全く、気を付けてくださいね？餅は喉に引っ掛かりやすいですからね』ｸｽｯ
老人「……おまえさん…まさか…！」
『あら？まさか気付かずに仕掛けたので？』
…まさか知らずにやったとは……
転生したから、分かりづらかったのかい？
『ふふ、ところでおじいさん…
……“何か御用がおありかな？”』
あぁ、確かにあの時は、御用人になるとは思っても見なかったな
老人「………ははは！そうかそうか！おまえさんが……！皆も喜ぶなあ！
あぁ、一つおまえさんに頼みがある
…………御用人となり、神々の御用を聞いてくれ」
老人……いや、大神は和紙の冊子…“宣之言書”を差し出した
『ｸｽｯ))御用、承りました』
私は、それを躊躇いなく受け取った
さーて、次の“御用”は何かな？((ｸｽｸｽ
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メグミ - 漢字を間違えて居ますよ,大倶利伽羅廣光ではなく本当は大倶利伽羅広光ですよ。 (2022年9月16日 2時) (
レス) @page33 id: 08246aac29 (このIDを非表示/違反報告)
Alba(プロフ) - え！？『神様の御用人』じゃないですか！！とうらぶ×御用人とか最高ですね！ありがとうございます！ (2021年6月25日 17時) (レス) id: f1f1c4633b (このIDを非表示/違反報告)
零月 - ありがとうございます！私も読んでる人が周りに中々いなかったので、そう思って貰えて嬉しいです (2021年3月7日 10時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - すごく面白いです。まわりに｢神様の御用人｣を知っている人がいなかったので感激です！頑張ってください！ (2021年3月7日 10時) (レス) id: ee2ee390ab (このIDを非表示/違反報告)
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