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#10.高嶺の花 ページ10

中「この度は僕の27歳の誕生日祝賀パーティーを開いて頂き誠にありがとうございます。皆様には日頃から多大なる感謝申し上げます」



その後も並べられる、社交辞令・・・



俺らの住む世界はこれが当たり前。



少し段差の付いたステージから当たりを見渡すと彼女の姿があった。
先日とは違って、落ち着いたブルーのドレス。




中「今後とも中間家をよろしくお願い致します。それでは皆様、乾杯!楽しんでお過ごしください」



俺の社交辞令が終わると同時に彼女が外に出ていくのが見えた。




何故か気になって軽く会釈を交わし彼女を追いかけた。






中「どちらに行かれるんですか?」




『………』



彼女の返事は無い。




中「あの、」




『私ですか?』




中「貴方しかいませんけど、」




『申し訳ありません、こういった場が少し苦手で。』




中「自分の誕生日の時もそれで?」




『誕生日の時…?』



中「中庭のテラスに」



『あー…あれはただ私の誕生日って言うよりも父のお世話になっている方達の会食の場みたいなものですから、私がいてもいなくても関係ないんです。』




中「なんやねんそれ」





『この度はお誕生日おめでとうございます。こんな所で私とお話されるよりもあちらで皆さんと交流を深めた方がいいと思いますよ?』





彼女の気遣い、少し俺との距離を取ろうとする感じ
そしてまたあの時のと同じ作り笑いをしていた。



中「じゃあ、キミも一緒に飲み直そうよ」




『私、まだ未成年です』




中「え、あっ…」




『この間18になったばっかですよ?笑』




この時の彼女は作り笑顔と言うよりも、しっかり笑っていた。




中「ごめん、ごめん落ち着きすぎて何か(笑)」




『よく言われます、高嶺の花だって。』




ほら、また悲しい顔をする。





気がつけば、彼女から目が離せなくなっていた。





パーティーが終わって数日後、父から俺に見合いの話があった。


写真を見ると、どこのご令嬢なのか分からない相手。



中「嫌です。相手は自分で決めさせて下さい」



中父「中間家に相応しい相手なんかいるのか?」



中「います。」



中父「誰だ?」



中「和田家のご令嬢です。」



中父「まだ高校生では無いか!」




中「彼女となら結婚を認めます。」




中父「どうしてそこまで?」




中「彼女にはどこか惹かれるものがあったんです。」




#11.彼女が欲しい→←#9.彼女との出逢い



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nagatakumiko(プロフ) - 最後まで最高によかったです。これからも楽しみにしています。 (2022年6月29日 6時) (レス) @page50 id: cc4ab27b52 (このIDを非表示/違反報告)
butausa(プロフ) - 昨日この作品に出会って、一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてます!! (2022年5月15日 12時) (レス) @page24 id: b73fe8c1a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Spica | 作成日時:2022年4月16日 1時

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