ただ君が好き。赤 (ページ36)

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#36.顔見せてページ36

重「風呂出たよ」

『髪濡れてんじゃん』

重「めんどい、後でいい」

『それ髪傷むよ』

重「じゃあ乾かしてーや」

『なんで私が』

重「ええやん、減るもんちゃうし」

丸め込まれた気がするけどドライヤーを手に取り
しげの髪を乾かし始めた。

なんか、緊張する。

重「ドライヤー上手いなぁ」

『上手いとか下手とかあんの？』

重「あるで！めっちゃ眠いもん、心地ええわ」

『なら良かった、』

ドライヤーが終わる頃には目がトロンとして
眠そうにしている。

なんか子犬みたい

重「ドライヤーありがとう」

『私もシャワーするから先に寝てていいよ、仕事疲れたでしょ』

重「おん、ありがとう」

ーーーー

私がシャワーから出ると彼は布団の中で
携帯を触っていた。

『寝てて良かったのに』

重「あー、寝れんかってん」

"遠足みたいで…笑"と補足して笑う彼。
出来れば早く電気を消して寝て欲しい。

『明日も早いから電気消すね、おやすみ』

重「まって！」

『なに』

重「なんでこっち向かんの？」

『いや、何も無いよ？』

半ばしげの話を無視して電気を消す私。

重「いや、まだ話してるやん！」

そう言って電気に近い彼は布団から身を出し
電気を再び付けた。

『なんで消したのに付けんの』

重「こっち向かんからやんけ」

『もーうるさいなぁ、だって今すっぴんだから！見られたくないの！』

重「あ…」

『おやすみ！』

重「なぁ、顔みしてや」

『いや！』

重「そっち行くで」

『こっちに来ない約束』

重「すっぴん見せてや」

『絶対いや』

重「なぁ、見たい」

『ほんと無神経なの！？女の子にすっぴん見たいとか言うの！あ、私女の子と認識されてないか…私以外に絶対言わない方がいいよ』

痺れを切らして勢いよくしげの方を向いて話した。

重「そんなことないやん、可愛い。俺はAやから言うてんの」

『そりゃ、メンバーだもんね。弱音握れるもんね』

重「ちゃうって」

『何が違うの、どうせみんなにすっぴん見た〜って話してネタにするんでしょ？』

化粧をとったら童顔になる。
まだ高校生に見られても通用するくらい幼くなるからそんな自分のすっぴんが好きじゃない。

重「そんなんせんよ」

『どうだか』

重「俺だけしか知らんAやろ？そんなん誰にも言わん。特別やもん」

『は？』

重「ちなみにお前は充分女の子やから、おやすみ」

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