ただ君が好き。赤 (ページ35)

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#35.二人の時間ページ35

しげから連絡が来てどうなるかと思ったけど、

重「お前何やってんねん！」

会うなり直ぐに怒られた。

『何が？』

重「こんな時間に一人で大阪帰るとか正気か！？」

『前まで日常だったけど』

重「あ、そうやったな…ってちゃうわ！もっと危機感持てや」

『なんでそこまで言われなきゃいけないの？』

重「知らんわ！」

『じゃぁほっといてよ』

重「ほっとかれへんから言うてんねやろ！はよ行くぞ！」

『え、ちょっと待ってよ！』

ーーーー

何故か私は今、しげと大阪にいる。

ちらほら街灯が付いていて当たりは真っ暗。

大阪で私の祖母のお墓参りを終えて
ただただ行先も無く歩いている。

先に口を開いたのはしげだった。

重「なぁ」

『ん？』

重「怖くないん？」

『怖いの？』

重「ちゃうやん、一人で色んなことして怖ないんかって？」

『もう慣れた、親も友達もいなかったし。誰かに迷惑かけるくらいなら一人の方がずっと楽だったし』

重「慣れんなや」

『えっ、』

重「そんな事に慣れんなや」

『そんな事って…』

重「心配やねん」

たまに、しげが分からなくなる。
もともと不器用だし、テレビのしげとは別人。

あんな常にハイでうるさくなんかなくて
色んな重岡大毅がいる。

でもその色んな重岡大毅がたまに分からなくなる。

重「今日どこ泊まる予定やったん？」

『こっちで一緒にレッスン受けてた子が泊めてくれるって。終わったら連絡してって言われてた。しげいるからやっぱりいいって連絡したけど』

重「なにわ男子の奴らか？」

『あー、まぁそんな感じ』

重「俺もおるしホテル行こか」

ーーーー

『ねぇ、何も思わないの？』

重「何が？」

『なんで同じ部屋なの？』

重「しゃーないやろ空いてなかってんから」

急遽、素泊まりで見つけ入ったホテル
空き室は1つしかなくて。

でも、もう時間も遅い。
明日の仕事がもう今日になっていて

今日の始発かその次で東京に戻らないと
仕事にも支障をきたしてしまう。

それに大事な打ち合わせもあって…
私含めた初ライブ。
絶対に遅れる訳にはいかない。

しげも分かってる。
これは仕方の無い選択肢。

だけど男の人と2人きりは…

『私こっちのベッド使うからここから奥に絶対に入ってこないでね！』

重「分かったわ、シャワーしてくる」

なんでメンバーのしげごときに…
犬猿の中なのに緊張してんだ、私。

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