ただ君が好き。赤 (ページ8)

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#8.一大事ページ8

待ちに待ったWESTとの対面の日。
そんな日に朝から大慌てで過ごしている

医師「ご家族の方は…」

『孫の私です。私しかいません。』

こちらへどうぞ、と看護師さんに案内され
入ったのは診察室。
そこはなんとも言えないただならぬ雰囲気で
バックヤードでは忙しそうに医師たちが動いていた。

医「非常に申し訳にくいのですが、朝倉さんの叔父様は癌を患っています。それが現在肝臓や肺にまで転移し手の施しようがない状況です」

『それって、前から癌があったって事ですか？』

医「そうですね、月に1度こちらに通って検査をしていたので」

『でもおじいちゃん、ただの健康診断って！異常はないって言ってましたよ？』

医「その辺は申し訳ありませんが…」

今朝方早くにおじいちゃんが突然胸を抑えて苦しんでいた。
どうにもこうにもいかなくて救急車を呼べば
今の状況に至る。

『でも元気ですよ？普通に動いてるし！』

医「最近よく咳き込んだり発熱が出たりという症状はありましたか？」

『確か、熱は拗らせて1週間続いていましたけど…』

医「それも症状の一つです。ステージもかなり進んでいて深刻な状況です。いつ急変してもおかしくありません。今日から入院で治療を進めさせていただきます。」

『あの…余命とかってあるんですか…？』

医「もって余命半年と言うところでしょう。現在もかなり進んでいます。このまま他の部位に転移するようでしたらもう少し早くなるかと…」

ーーーー

医師の言葉を聞いて時間が止まったように感じた。
去年、大好きなおばあちゃんを亡くして次はおじいちゃん？

『おじいちゃんなんで言ってくれなかったの…』

目の前で沢山の器具に繋がれてすやすや眠る祖父
機械音だけが病室に響いていた

「朝倉さんのお孫さんですか？」

『看護師さん？』

「これもし私に何かあればっ渡して欲しいと預かっていたんですが、今お渡ししてもいいですか？」

看護師さんから受け取ったのは封筒に入った手紙

ーAへ

手紙を読んでいる頃には私の病気の事全て
知ったという事だろう。
ばぁさんまで亡くしてこれ以上Aに辛い思いをさせたくなかったんだ。許してくれ。

ジャニーズになる件、私は賛成だよ。

辞めたいなら辞めてもいい。
決めるのはAだ。Aは自慢の孫だ。
今まで沢山我慢をさせてきた。
これからは好きなように生きなさい。

やらずに後悔するより、やって後悔しなさい。

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