ただ君が好き。赤 (ページ16)

今日:26 hit、昨日:70 hit、合計:86,739 hit

#16.上の空ページ16

今日も朝イチの面会時間から会いに行く

『おじいちゃん会いに来たよ』

「………」

昨日までついてなかった呼吸器が付けられている。

『ねぇ、おじいちゃん！！』

医「失礼します」

『昨日何かあったんですか？』

医「酸素濃度が低くなっていたので呼吸器付けて検査しました。」

『もしかして良くないことですか？』

医『脳にまで転移していた。』

『え…』

医「悪性ではないが、他にも色んな所に転移していてね、半年と言ったけれどいつどうなるか分からない。」

『お願いします！助けてください！！おじいちゃんを助けて…一人にしないで…お願いします。』

医「前にも言ったけれど、手の施しようがないんだ。今後も薬で状態は抑えることができるが、この状況は何も変わらない。申し訳ない。」

『他の病院で、医療の進んでる所に転院するとか出来ないんですか！？』

医「構わないが、同じことを言われると思うよ。」

『なんで…なんでもっと早く言ってくれなかったの…』

医「この間、自慢の孫だって話してたよ。寂しいはずなのに弱音を一切吐かずに安定した職に就いてくれたって。これからはもっと輝く世界で仲間と共に過ごして欲しいって」

『そんなの無理だよ…おじいちゃんがいたから頑張れるの！ねぇ、目覚ましてよ！起きてよ！一人にしないでよ！』

医「貴方も疲れが見られます。化粧で誤魔化しているかもしれませんが、クマできてますよね？最近寝てないんじゃないですか？」

『………っ、』

確かに毎日帰ってきて復習して、
迷惑書けないためにもってWESTのDVD見て
ダンスの振り付けを頭に叩き込んでる。

医「お祖父さんの次は貴方の身体も持たないですよ？」

『……これから仕事なので、また来ます。急変したり何かあれば直ぐに連絡ください。お願いします』

ーーーー

何も考えることが出来なくて、
ほとんど上の空で神ちゃんからの連絡にさえ気づかなかった

「A！」

神「A！！」

『っ！？…ここ改札だよ？』

バレるとまずいからって車での合流になっていたはず。

神「ごめん、連絡してんけど繋がらんかって言うてた新幹線の時間過ぎてたから心配になって」

『ごめん、一本逃しちゃって別ので来ちゃった』

神「びっくりしたやん！連絡してや」

『ごめん、ごめん！』

神「なんかあった？」

なんかいつもと雰囲気が違うくて聞いてみた。
でも『何も無いよ』って

・