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#22.1人になりたくない ページ22

時間はあっという間に過ぎ、放課後。


桐「ほんまに散歩でええの?」



『はい!行ってみたかったです』



桐「俺、弟のシーサー持つから兄ちゃんのゴーヤ持ち!落ち着いてるし、躾ちゃんとしたから賢いと思うわ」



『ありがとうございます!』



ー向かった先は大きなドッグランがある公園



桐「ここなら放し飼いしても大丈夫やで!逃げへんし」



『本当に逃げないですか!?』



桐「大丈夫大丈夫!ほら!」


そう言いながら2匹のリードを外す。



桐「仲良さそうに2人で走り回ってるわ(笑)」



『何だか家族みたいで羨ましいです(笑)』



桐「なんかあったん?」



『何もないですよ』



桐「なんかあったって顔してる」



『…………』



桐「ネットニュースなんか言われた?」



『違います、実は今日飛行機の最終便で両親が帰ってくる予定だったんですよ』



桐「え、そうなん!?なら帰らないと!」



『でも急なトラブルで帰れなくなったって連絡が来ました』



桐「そうやったんや…」



『よくある事なんです(笑)今に始まった訳じゃないので。それでもこっちに残るって決めたの私だし。』



桐「ご両親どこいてんの?」



『今は北海道ですかね?』



桐「なんの仕事とか聞いても大丈夫?」



『母はフリーライターで父は営業です。昔から出張が多くて今では帰ってくるのも3ヶ月に1回や半年に1回、長期休みくらいですかね?』



桐「大変なお仕事されてるんやね」



『桐山さんのご両親とは比べ物にならないですよ(笑)海外貿易してらっしゃるのに』



桐「どの仕事も大変なのには変わりないよ。所でさ、その桐山さんっての辞めん?」



『なんでですか?』



桐「俺もAちゃんって呼んでるし、俺のことも照史って名前で呼んで欲しい」



『いやいや、恐れ多いです。』



桐「せっかく親が付けてくれた名前やから大事にしたいねん。やから皆にも名前で呼んでもらってて、Aちゃんも名前で呼んで欲しい」



『照史くん…でいいですか?』



桐「全然大丈夫!ありがとう!」



『いつもなら一人でいいって開き直ってたんですけど、何か1人になりたくないなって…利用してるみたいですみません』



桐「そんなこと気にしてないからええよ」



『私もゴーヤとシーサーと遊んできます!笑』



そういって彼女は2匹と一緒に走り回って遊んでいた





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作者名:Spica | 作成日時:2021年9月27日 7時

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