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#14.帰りたくない ページ14

『ここのたい焼き安くてめちゃくちゃ美味しいんですよ!』



桐「え、80円!?」



『いつも100円握りしめてここのたい焼き食べに来て、残りの20円は貯金してたんですよ。小学生の頃ですけどね(笑)』



ーーーー


あれから特に何も買うことも無いけれど、
お店に入って見て楽しんだり

亀や鳥が触れるペットショップに行ってみたり


気づけば辺りは暗くなっていた。




『そろそろ帰らないとですね…』



桐「え、そんな時間!?」



『18時半ですね…』



桐「男の俺が言うのもダサいけど、帰りたくないなぁ」



『それほど楽しんでもらえて良かったです笑』



桐「家まで送っていい?」



『逆にいいんですか?』



桐「今日楽しませてくれたお礼」



『じゃぁお言葉に甘えて…』



桐「Aちゃんはさ、慣れたって言ってたけど寂しい時どうしてんの?」



『んー…公園で歌ってます笑』



桐「あの教室にいた子と?」



『いや、一人で』



桐「1人で歌ったりするん?」



『本当に寂しい時ですよ!?気持ち紛らわしたい時とか、何かリセットしたい時は基本一人ですね』



桐「そのさ、連絡先交換しいひん?」



『何でですか!?』



桐「なんでって…その寂しい時とか連絡くれたら寂しもん同士駆けつけるからさ」



『寂しいもん同士って(笑)』



桐「いや、ほんまに。呼んでくれたらいつでも行くから。連絡先教えて?」




『中間さんといい…私なんかが王子の連絡先知ってもいいんですか?』



桐「淳太くんの連絡先登録したん?」



『登録したというか、交換したというか…』



桐「じゃぁ俺にも教えて」



『絶対に皆さんに秘密にしてくださいね!』



桐「なんで?」



『皆さん一応、住む世界が違う人達なんですよ?王子なんですよ?世間体では。そんな人が私なんかと…考えただけで怖いです』



桐「そんなん気にせんでええよ。」



『いやいや、普通に高校生活過ごしたいので気にします』



桐「なら学校では会ってくれへんの?」



『あんまり会いたくないですね、出来れば。中間さんも』



桐「そっか…じゃあ連絡先交換したし、学校の外やったら会ってくれる?」



『寂しい者同士友達としてならいいですよ?』



桐「あははは(笑)わかった!また連絡するわ」




『送って頂きありがとうございました!』


ーーーー





重「あ、A!お前どこ行っとってん!心配してんぞ!!」



『ごめんごめん、出掛けてた笑』






#15.心配してんぞ→←#13.贅沢しない楽しさ



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作者名:Spica | 作成日時:2021年9月27日 7時

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