王子との恋。橙 (ページ26)

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#26.闇の真相ページ26

あっという間に時間は過ぎて、放課後

小「なんか落ち着かんわ」

『授業長引いてるのかな』

重「おまたせ！悪い、今日日直なん忘れとった！」

『自分から呼び出したくせに、アイス追加で』

重「悪い悪い」

小「んで、話って？」

重「俺がデビューしたくない話。気になってたんやろ？」

小「…うん」

重「お前にもちゃんと話すわ」

小「俺が踏み込んでええ話？」

重「このまま曖昧にしたくない」

ゆっくりとしげが口を開いた

「俺がまだ小4でお前に出会う2年前の話。」

ーーーー

俺にはデビューしてステージの上で歌いたいって夢があった。
夢を一緒に叶えようって話している仲間もいた。

まだ小学生で幼かったけど、
毎日公園で歌ってた。
そん時は歌詞なんて書いてなくて
アーティストのカバーばっかり。

でもその日は違ったーー

「なぁ、しげ」

重「どうした？」

「俺な、デビューせんかって声かけられてん」

重「まじで！？良かったやん！！」

「でも、声かかったのは俺らじゃない」

重「いやいや、お前1人でもすげー話や！なぁ、A」

『うんうん！友達の夢だもん応援するよ！』

重「俺もいつかぜってー追いつくから！！」

「俺最高のダチもったな…」

最初はそれで良かった。最初は…

「俺さ、Aのことが好き」

『なにいきなり』

「しげとおるのやめて俺にしてや」

『別にしげのものちゃうけど。』

「俺とさ一緒にデビューしよや。社長にな一個下で歌上手くて可愛いやつおるって言ったら紹介して欲しい言われて」

『だったら私じゃなくてしげ誘いなよ』

「俺はAが好き。だからずっと一緒にいたいと思ってる」

『気持ちは分かったけど、答えられないし。しげの気持ちはどうなんの？』

「あんなやつ、もうどうだっていい」

ーー俺はこのやり取りを聞いてしまっていた

『なにそれ』

「考えてみろよ、あいつより俺の方が才能あるし実際声かけられたのだって俺。まだ小4で声かけられるってよっぽどの才能だとおもうんだよね」

『しげの歌にも魅力は沢山ある。』

「あいつは自分が楽しけりゃそれでいいみたいな歌い方してんだろ。俺はそれが気に食わねぇ」

『今まで一緒にやってきたのはなんだったの。』

「あいつといれば俺は目立つ。だから一緒にいただけだよ」

重「そういう事か。」

「『しげ！！』」

重「もうええわ。」

俺はそれから歌えなくなった。

あと、もう一つ…

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