#真っ暗な部屋 ページ10
無我夢中でその場をあとにした。
ドンッ
その途中誰かとぶつかって…記憶がない。
「やっと目を覚ましたか、」
「お前が1人になるのを待ってたんだよ」
こいつら、隣のクラスの…
周りを見渡すと使われていない旧校舎の倉庫だった。
「ここで頭を冷やすといいよ、明日の朝迎えに来てやるから」
そう言って外から鍵を締められた。
『いや、お願い、誰か助けて！！！怖い…』
あの日の記憶が蘇る…
『誰か、助けて…』
パニックになりかけていると、ちょうど携帯が鳴った。
〈もしもし、A？今どこー？部活終わってんけど〉
《大ちゃん、っお願い助けて…怖い、怖いよ…助けて…》
〈え、どうしたん？今どこ？〉
《分かんないっ、真っ暗で…怖いよ、お願い助けて…》
〈助ける、助けるから！とりあえず学校？〉
《廊下で誰かとぶつかって…っ、目を覚ますと真っ暗な部屋で…お願い…早く来て…》
〈すぐ行くから！〉
《……っ、》
〈おい、A！！〉
・
・
・
重岡 藤井 Side.
藤「元を正せばしげのせいやろ！」
重「なんで俺やねん」
藤「A今苦しんでるの知ってるか？」
重「はぁ？」
藤「いじめ」
重「あいつが？」
藤「お前と喧嘩した翌日から、トイレで水被せられたり、物隠されたり、体育の授業で集中攻撃されて傷作ったり、挙句の果てに学校裏連れて行かれて殴られて痣作っててんで？」
重「なんやねん、その話」
藤「お前は一瞬でも気づいたか？助けようとしたか？」
重「それは…」
藤「もしかしたら主犯がしげかもしれんで？ってAに言うたら『絶対に違う！』って言い切ってたで？あれ程、しげにパシリにされたのにしげのこと庇って自分犠牲にして、どんだけお人好しやねんって、だから俺のそばに置いてただけ。」
重「……」
藤「俺らの間に好きとかそんな感情一切ない、ただあの子他にも隠してそうやから守ってあげたいなって、そう思っただけ。」
西畑「流星！！」
藤「大吾、部活終わったんか？」
西畑「それどころやないねん！A知らん！？」
藤「ちょっと前に帰ったけど」
重「なんかあったんか」
西畑「なんであんたに言わなあかんねん」
藤「どうしてん」
西畑「Aが誘拐された」
重「え？」
西畑「暗いとこおるらしいねんけど、あいつ暗所恐怖症やねん」
そう聞いて1番に走り出したのはしげだった。
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作者名：Spica | 作成日時：2024年2月12日 9時
