WEST SIDE STORY 赤 (ページ43)

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#ライブハウスページ43

『緊張してる？』

末澤「そりゃするやろ。舞台立てるねんで」

小島「A〜！気合い入れて」

佐野「先輩！俺もお願いします！」

正門「俺もお願いしたいです」

『はいはい、いくよ〜』

みんなの背中に気合を入れ始まった初めてのライブ。
趣味で始まったバンドグループも今じゃ
SNSで大バズりして小さなライブハウスに抜擢を受けた。

ボーカルを務める誠也くんを筆頭に
キーボードで音を奏でる小島健
ギターの早弾きが得意でみんなを盛り上げる正門良規
サックスでみんなの心を虜にする草間リチャード敬太
ドラムでみんなの胸を打つ佐野晶哉

動画上では仲のいいメンバーを演じるものの
何度も方向性の違いで喧嘩をしている姿を見てきた。

それもあって、
今日舞台に立てることが自分の事のように嬉しい。

そういえば、重岡くんもピアノやってたっけな。

この人たちとは違って、
自然と心が軽くなるピアノの演奏だった。

もう一度、聞きたかったな。
なんて思っていると、出番が来た。

西畑「まさかどー！」

『あ、大ちゃん！』

西畑「Aも応援しに来てたんや！」

「あれ、なんでここおるん？」

『神山くん…？』

神「なんでこんな所に？」

『このバンド、従兄弟と友達がやってて』

神『だから、顔見た事ある思った。この間会った奴らか！』

『そうです』

神「俺はただ単に、ライブとか好きやから見に来ただけ。俺もギターやってるから」

特に会話が広がる訳でもなく近くでライブを楽しんでいた。

末澤「今日はどうも、」
「「「ありがとうございました！！」」」

神「めちゃくちゃ良いバンドやな」

『自慢のグループです！』

神「ちょっと、話せるか？」

『なんですか？』

神「ここじゃ、ちょっと…」

そう言われライブハウスを出て、
人通りの少ない道路に出た。

神「この間まで、突っかかってほんまごめん」

『ななな、なんですか急に』

神「ほんま誤解してた。」

『いや、そんな本当に何もしてないですよ』

神「守ってくれたやん、あん時かっこいいって思ってん。自分も怖いくせに、人のこと守って怪我して、どんだけお人好しやねん。ってでもな、この人になら信じて親友任せれるなって思えてん」

『それはどういう意味で…？』

神「しげのこと、守ってやってな」

『言われなくても、重岡くんには沢山貸しがあるので。』

神「頼むわな」

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