WEST SIDE STORY 赤 (ページ4)

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#悪魔の取引ページ4

次の日

昨日よりも明るいこともあってか少し恐怖心は消えていた。

神「しげおはよう、早いなぁ」

重「あーうん、まぁ」

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昨日のことが頭から離れないまま気がつけば放課後になっていた。

『集中しなきゃ…』

昨日より少し早く図書館を出て道もかえて帰ろう。
そしたらきっと大丈夫。大丈夫だから。
そう自分に言い聞かせ今日も図書館に行く。

重「おい」

『……』

重「おい、お前や」

『な、なんでしょう…？』

重「これ昨日落としてた」

『あ、ありがとうございます』

重「大丈夫か」

『何がですか？』

重「震えてんで？」

『私はもう…』

重「っち、付き合え」

半ば無理やり腕を引かれ教室を後にした。

『え、どこ行くんですか…？』

重「ええから黙っ…そんなに怖いか？」

彼女を見ると更に震えていた。

『…っ、』

重「…音楽室、なんもないから」

中「おおーしげ！どこ行くん！？」

すれ違った中間淳太を無視して着いた先は音楽室。

『あの…』

重「ここ座っとけ」

『え？』

そう言うと彼は音楽室にあるピアノを奏で始めた。

〜〜〜♫

力強いピアノなのに何故か優しく包み込むようなメロディ

『…っ、』

気がつけば涙を流していた。

重「なんで泣いてるん」

『感動しました…！凄いです…天才です！独学ですか？』

重「まぁ、そんなとこ。震え止まったやん」

『ほんとだ…』

重「もう1回、さっき返した生徒手帳貸して」

『ん、これ？』

重「これ俺が預かっておく。」

『え…？』

重「返して欲しかったら俺の言うこと何でも聞け」

『そんな無茶な…』

重「別にええねんで？この生徒手帳を東高に売り飛ばしても」

微笑を浮かべ彼は言った。

重「それが嫌なら俺が呼んだらすぐに来い。これ俺の連絡先」

『そんな…』

平和だった私の高校生活が一転。

重「俺に助けられた恩を仇で返すとか違うやんな？」

『他に手段とか…？』

重「俺が決めたことや逆らうんか？」

『逆らう権利私には…』

今まで頑張ってきたんだけどな…神様は不公平だ。

重「おもろいなぁ、常に成績トップのあんたが俺の言いなりになるの」

『最低っ！』

重「じゃあそろそろ俺は帰るわ、また明日な」

さっきとは違う笑顔を見せて彼は帰って行った。

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