最後の約束 ページ28
あれから時間が経つのは一瞬だった。
重「こっちこっちー！」
『お待たせしました』
重「浴衣じゃないんや、」
『ごめん、家に取りに帰ってなくて…』
重「ちょっとだけ期待しとってんけどなぁ、笑」
『……』
重「うそうそ！ほないこか！」
ーーー
ーー
重「ここ、めっちゃくちゃ綺麗に花火が見えるねん」
『なんでそんな場所知ってんの？』
重「それは、あれや、気にせんでええねん！」
『他に女の子連れてきたとか？』
重「あほか！そんなんちゃうわ！姉ちゃんに聞いただけや！」
『お姉さんにね〜笑』
重「お前ほんまムカつくわ〜」
『これが正常運転です〜』
重「あのさ、気になってたことあるねんけど」
『んー？』
重「お前って好きな人おるん？」
『なに急に！？』
重「いや、おるんかなぁって。小瀧とか仲ええやん」
『好きな人はいない、かな。気になってる人はいるけど』
重「え！だれやねんそれ！」
『内緒』
重「俺の知らんやつ？」
『どーだろうね』
重「もしかして、バーベキューの時迎えに来てたやつ？」
『バーベキュー？…あ、佐野くん？』
重「とか言うてたかな」
『佐野くんは違うよ、仲はいいけど』
重「友達俺以外にもおるやんけ」
『別にいないとは言ってないよ？大ちゃんもいるし』
重「その、気になるやつに告白せえへんの？」
『しない、かな』
重「そっか」
『そんな重岡くんは好きな人いないの？』
重「お前」
『…え？』
重「俺はお前が好きやで」
『えっとー、それはどういう意味で…？』
重「お前のこと守りたい、他のやつに渡したくない」
『重岡くん…』
重「俺さ、こんな感情初めてでさ。誰かを守りたいとか、俺の知らんところで何してんねやろ、って考えてしまうの。」
『重岡くん、わたし…』
私も伝えなきゃ。
重岡くんの事が気になってるって、
本当の気持ち
でも私は…
その言葉の続きを言う前に、花火の音にかき消されてしまった。
重「花火綺麗やったな」
『うん、すっごく。』
きっと、重岡くんがいたからかな。
重「きっと、Aと見れたからやろうな笑」
ニィっと綺麗な歯を見せて彼が笑う姿に
また一つ胸が高なった。
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作者名：Spica | 作成日時：2024年2月12日 9時
