#・ ページ22
『今日は誘ってくれてありがとう』
重「元気そうやん」
『んー？元気だよ』
重「この間、電話の時元気なかったように感じたから」
『あー…ちょっと色々あって』
重「何があったんか聞いたら話してくれるか？」
『何も無いよ？ただこっちに来るのが早まっただけ』
重「そっか、」
それから少し沈黙の時間が流れた。
"このままこっちにいる"って…
言わなきゃって、頭では分かっているのに言葉に出来なくて、
気がつけば駅までたどり着いていた。
『着いちゃったね…』
重「おん」
『ありがとう』
重「いつ帰ってくるん？」
『お母さんも来てて、いつになるかな…』
重「8月31日、夏休み最終日に花火大会があるねん」
『うん』
重「一緒に行かんか？」
『私と？』
重「お前以外に誰がおんねん」
『友達とは行かないの？』
重「俺はお前を誘ってるねん」
『えっと…』
重「別に嫌ならええねんで」
『嫌、じゃない…』
重「え、ほんまに！？」
『嫌じゃないよ』
重「俺穴場スポット知ってるねん！18時に浪速神社の鳥居の前で待ってる」
何故か重岡くんは機嫌を良くしていた。
『分かった』
重「それじゃあ、そろそろ迎え来るやんな」
『そうだね…』
重「また連絡するわ」
『うん、待ってる』
重「次こそ返事よこせよ」
「Aちゃん！お待たせ」
『あれ、佐野くん？』
重「え、おとこ…？」
佐「初めまして、佐野晶哉言います。」
重「重岡です」
佐「急遽招集かかって…変わりに僕がお迎えにきました！」
『佐野くんわざわざありがとう！』
佐「Aちゃんに会えるならどこだって飛んでいきます！」
重「お前の知り合いか？」
『いとこの友達、バンド組んでてメンバーのドラムやってる子なの』
重「ふーん」
佐「お2人はどういうご関係で？」
『学校の友達だよ？』
重「…………」
佐「そうなんですね！お友達出来て良かったですね！じゃあ、そろそろ行きましょうか！」
『そうだね、 重岡くんここまで送ってくれてありがとう』
重「おん、気をつけて」
佐「じゃあ、失礼します」
ーーー
重岡Side.
代わりに迎えに来たって言ってたけど
あいつ誰やねん。
そんなことを考えているとあっという間に
家に着いていた。
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作者名：Spica | 作成日時：2024年2月12日 9時
