#末澤家 ページ19
『私、どうしてここにいるの？』
「お前のおかんがママに助けてって連絡よこしたみたいで一緒に駆けつけてみればお前倒れてんねんで！そら焦るやろ！さっきまで電話してたのに数時間後にそんな連絡あってアホちゃう！俺の心配返せや！」
『誠也くん、ごめんね。』
「女の子やのにこんな怪我まで作りやがって、もう大阪なんかに行かせてやらんから」
『え？』
「これ以上お前の身になんかあっても危ないからおばさんがこっちに住むこと考えるって。俺は大歓迎やし、ママも賛成してた。あとはお前の意見だけやで。」
『私は…』
ここにいるってことは重岡くんに会えなくなるってこと…？
「迷うことなんかないやろ！こっちやったら自由やし俺がいてるねんから！俺だけじゃないで、あいつらもお前のこと歓迎してくれる」
『あと少し考えたい』
「考えんでも分かるやん！お前はこっちにいてた方が幸せやねん！」
『うん… 』
「ほら、それが答えやねん。ママたちに言ってくるわ！」
そう言って誠也くんは嬉しそうに部屋を出て行った。
枕元に置いてあった携帯にふと目をやると
ものすごい通知の数。
『えっ、』
156件と書かれた通知のほとんどが重岡くんからだった。
その連絡に既読を付けるとすぐに携帯が鳴った。
《もしもし》
〈お前なぁ！もしもしやあらへんねん！この俺をどんだけ無視したら気が済むねん！〉
《ごめん、色々あって…》
〈連絡取れへんし、なんかあったんちゃうかって心配してんぞ！〉
《昨日すぐ寝ちゃって、今も親戚の家に来てて連絡出来なかったの。》
〈一言ぐらい返せるやろ〉
《うん、ごめん。》
〈なんかあったんか？〉
《何も無いよ》
〈その割に元気ないで〉
《通知見てうんざりしてた笑》
〈なんやねんそれ！人が心配してやった言うのに〉
《頼んでないですよーだ笑》
〈お前次会ったら覚えとけよ〉
《なんの事〜》
〈せや、お前親戚の家おるいうたな？〉
《うん》
〈兵庫言うてたやろ？〉
《そうだけど》
〈そっちに淳太の別荘あるねん。そこでBBQするから絶対来いよ。来週の火曜日、時間はまた連絡するから！次無視したら本気で覚えとけよ〉
《それは強制なの？》
〈当たり前や、なんやかんや小瀧が1番楽しみにしてる笑〉
《のんちゃんも来るんだ、それは楽しみだね》
〈俺もおるからな〉
《はいはい、楽しみにしてるね笑》
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Spica | 作成日時：2024年2月12日 9時
