#お母さん ページ17
『ただいま』
母「おかえりなさい」
『お父さんは…？』
母「今日は遅くなるって」
『テスト、100点じゃなかった…』
母「そっか、でも頑張ったんでしょ？」
『うん…』
母「お父さんには私から伝えておくわ、」
『でも、そしたらお母さんが…！』
母「大丈夫よ、それよりせーちゃんがAはいつから来るのー？って連絡きてたわよ」
『行っていいのかな…』
母「今年はお母さんも一緒に行こうかしら」
『でも、お父さんは？』
母「たまにはね、内緒で2人で羽根伸ばしましょ？」
『お母さん、なんかあった？』
母「何もないわよ、子どもが心配しなくていいの」
ーーーー
お母さんは私の味方でずっと守ってくれた。
お父さんに怒られた時も、いい成績を持って帰って来れなかった時もお母さんが必ず守ってくれた。
だけど、お母さんが父のことを疎かにしたり
1人にするってことは今まで無かったのに、どうして…？
そんなことを考えていると携帯の着信が鳴った。
《もしもし》
〈あー、俺やけど〉
《オレオレ詐欺はお断りです》
〈お前なぁ！〉
《ごめん、ごめん。どうしたの誠也くん？》
〈いつからこっち来るん？〉
《いつから行こっかな、まだ決めてない》
〈親父さんはなんて？〉
《今日は遅くなるって》
〈明日からおいでや、迎えに行くで〉
《何も用意してないし》
〈夏休みお前来ること言ったら佐野がAに会いたいって言ってたで〉
《佐野くんって、あのドラムが上手な子？》
〈そうそう！あいつらもお前来るの楽しみにしてる〉
《今年も賑やかになりそうだね》
〈花火とか祭りとか海とか色々計画立ててるから親父さんに内緒で楽しもな〉
《誠也くん、いつもありがとう》
〈お前のことは俺が一番分かってるから、安心しい。いつでも来てええねんで〉
《うん、今年はお母さんも行くことになるかも》
〈なんかあったん？〉
《分かんないけど、さっきそう言ってた》
〈俺が連絡した時何も言ってなかったけど、まぁ来るなら俺のママも喜ぶやろ〉
《息抜きできるかもね》
〈早めに来るように用意しててな〉
《はーい、また連絡するね》
〈そんときは迎えに行くわ〉
ーー
誠也くんこと末澤誠也は私の従兄弟。
お母さんはせーちゃんって呼んでるけど
本人はそれを嫌ってて、私の前では甘々なのに
友達がいると狂犬に変身する時がある。
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作者名：Spica | 作成日時：2024年2月12日 9時
