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「ねぇ､ちょっといい?」
天童覚が珍しく低いテンションでAに問いかけた｡下校のために教室から出てきたAは虚をつかれバッと天童を見上げた｡
マスクをしている状態でもわかる顔色の悪さと目の下のクマに､天童は少し顔をしかめる｡
「退部する前､家の用事で学校来てない日結構あったよね｡関係してるんじゃないの」
覚の確信を持った言い方にAは笑顔で答えた｡
「なにも」
「そういえば､先輩たちの引退試合､珍しく妹ちゃん来てなかったけど」
その言葉に､サッと顔色を変えたのを天童は見逃さなかった｡
Aが試合に出る度に応援に来ていた妹と母親｡その度毎回困ったように笑うAを見て今日も頑張んないとね､と声をかけるのが天童だった｡
「ミーティング後に突然帰ったよね｡普段そんな行動しないのに」
「……覚」
「鍛治君が怒るどころか心配してたよ｡妹ちゃんとママさん､何かあったんでしょ」
「覚!」
悲痛な叫び声に､廊下に居合わせた牛島と瀬見が振り向く｡顔を俯けているAの拳は震えていた｡
「…死んだんだよ､交通事故で」
それだけ言うと､Aは天童に背を向けて歩いていった｡
天童はあとを追うことはできなかった｡
「どうしたんだよ､あれ｡死んだって…」
瀬見が天童に尋ねる｡その隣には牛島がいた｡
これは言うべきことなのか､言ってもいいことなのか｡天童は悩んだ｡
「天童……話せ」
牛島の言葉に､天童はため息をついた｡
「ホント､しんどい」
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レイン - 続き書かないんですか？ (2018年12月23日 11時) (
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作者名：風間柊 | 作成日時：2018年10月28日 20時
