第一話 5/5 ページ6
【JK視点】
頭を叩かれたと思ったら降谷さんが帰ってきた。
あの後からぐっすりと眠っていたらしい。
降谷さんに「よく呑気に寝てられるな」と皮肉を言われた。
自分が置かれている状況は分かってても睡魔には勝てないのが人間だ、うん。
再び二人で向き合って座ると降谷さんが口を開いた。
「どうやら君の話は本当のようだ」
「そう、ですか」
私の話が本当だったということは私には戸籍がない。
友人も親戚も、家族も誰もいないということだ。
今までよりも強い不安を感じて胸が痛くなる。
歯切れの悪い返事をした私に降谷さんは心配の目を向けた。
「どうした? 先程まで信じてくれの一点張りだったのに」
「いや……これからどうしようかと思って」
「そうだな、戸籍がないのが問題だな」
それだけが問題じゃないんだけどなあ。
顎に手を当てて考える降谷さんをよそに私はため息をついた。
戸籍をつくらないと支援もしてもらえない。
保護者すらいないから周りから哀れな目で見られそう。
ため息をつく私に降谷さんが声を上げた。
「そこで、だ。入ってこい」
「ヒェッ……」
降谷さんの合図によって影からスーツ姿で眼鏡をかけた男性が現れた。
あれ……? まさかだけどあの人___
「俺の部下、風見だ」
ですよね!!!!
「風見です」と一礼する彼に反射的に会釈をする。
降谷さんに座るように促されると一言声をかけて降谷さんのの隣に座った。
「あの……どうして風見さんが?」
「これから話すことは少し特殊なお話です」
そう言うと風見さんの眼鏡が怪しく光った。
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榊 リョウ(プロフ) - akumaさん» ありがとうございます!精進してまいります! (2019年3月31日 20時) (レス) id: 6d0dbddaea (このIDを非表示/違反報告)
akuma(プロフ) - 凄く面白いです!続きはやk((。頑張って下さい! (2019年3月21日 23時) (レス) id: f48d4cbf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:榊 リョウ | 作成日時:2019年3月16日 15時