第三話 4/5 ページ17
【JK視点】
私は今、30人以上からの視線を集めて見慣れない部屋の前方で立ち尽くしていた。
背後に白で書かれた私の名前に意識をやると恐る恐る口を開く。
「一条 Aです、よろしくお願いします」
軽く頭を下げて微笑みを浮かべると歓迎の意味が込められた拍手に包まれた。
あたたかい音たちが鳴り止むと担任に自席を伝えられ、その方向を示す指の先へと目を追う。
そこにはひとつだけ空いている席があった。
その周辺にいる男女はそれよりも私ばかりをみつめていた。
荷物を机に置いて腰をかけると朝のホームルームが終了した。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆☆.。.:*・°☆.。.:*
自分が自意識過剰でなければ先程から多くの人の視線を感じるのだ。
きっと話しかけるのを躊躇っているのだろうと自己解釈をして、暇つぶしにと降谷さんに持たされた本をカバンからとりだす。
その本は心理と精神について哲学的に綴られていて、最初は読んだことがないため抵抗を覚えた。
しかしページをめくっていくと、単元ごとに分かれていてわかりやすい図も載っていて、読みやすい本だった。
まさか、降谷さんは気を使ってくれたのかな。
そんな思いを巡らせていると、優しい声音が私の名前を呼んだ。
声のする方へ顔を向けると隣の席の女の子が私の顔を覗き込むように立っていた。
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榊 リョウ(プロフ) - akumaさん» ありがとうございます!精進してまいります! (2019年3月31日 20時) (レス) id: 6d0dbddaea (このIDを非表示/違反報告)
akuma(プロフ) - 凄く面白いです!続きはやk((。頑張って下さい! (2019年3月21日 23時) (レス) id: f48d4cbf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:榊 リョウ | 作成日時:2019年3月16日 15時