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おもちほっぺ(露)【学パロ】 ページ4

僕はイライラしていた。
だって、せっかくAちゃんとおうちデートなのに。
「でね、その時アルがね、すっごくかっこよくて…….。きいてる?」
なんで恋人の僕が他の男の話を聞かされてるのかなあ。
「ねえってば。ヴァーニャ?」
「なに」
思ったより声にイライラが出ちゃった。
「なんで怒ってるの……?声も怖いし」
「さあね、自分の胸に手を当てて考えてご覧よ」
思わず、君のせいだよって言いそうになった。僕、思ったよりイライラしてる。何となく気をまぎわらせようと、僕はほっぺたをぷくーって膨らませた。そしたらね?
「わわわ、おもち!おもちほっぺね!すごい!」
さっきまでは真剣に考えてたのに、急にぱあって笑顔になって、僕のほっぺたをつつき始めた。可愛い顔をすれば許されるってわけじゃないんだからね。
「すごいわ、もちもちで、膨らんでて、本当におもちみたい」
ぷにぷに、つんつん。
「ねえねえ、どうして怒ってるの?なんでおもちになっちゃったのかしら?」
僕のほっぺたを好き勝手つつきながら言うAちゃん。もう!ほんとにもう!
「……えい!」
「きゃあ!」
僕はAちゃんをソファーへ押し倒した。すごく驚いた顔をしてるけど、自業自得だよね。
「ヴァ、ヴァーニャ?」
「僕、ヤキモチやきだって言ったよね」
「言ったけど、それが何か?」
「まだ分からないの?」
「ごめんなさい。教えてくれる?」
僕は大きくため息をついてから言った。
「君は僕のなんなの?答えて」
弱々しい声でAちゃんは答える。
「....恋人、です」
僕は続けた。しまった、という顔は見なかったことにした。
「そうだよね。僕達恋人なんだよ。デート中なの。なのにどうして、僕は他の男の話ばかり聞かされなくちゃいけないのかな?」
震える声でAちゃんがいう。
「……ごめんなさい」
「別に謝って欲しいわけじゃないんだけど。僕は君で頭がいっぱいなのに、君は違うんだなって思って悲しくなっただけだよ」
そのまま離れようとした僕の腕を、Aちゃんがそっと握った。
「ごめんなさい、あなたと一緒にいられるのが夢みたいで、好きすぎて頭が真っ白になっちゃって、なにを話せばいいのかわからなくなって、それで……」
話すにつれて小声になるAちゃんが可愛くて、好きって言ってくれたのが嬉しくて。思わず、笑顔になっちゃって。
「……もうおもちほっぺ、ない?」
「うん、ない」

笑いあっている僕らが、今の体勢に気がついて、赤面するまであと3秒。

魅惑のほっぺ(普)【学パロ】→←似てない兄妹(米)【学パロ】


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作者名:ころん | 作成日時:2021年6月28日 2時

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