【APH】空模様、恋模様。【短編集】 (ページ3)

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似てない兄妹（米）【学パロ】ページ3

私と兄は似ていなかった。私は見た目も中身もママ似、兄はパパ似だったから。誰もが口を揃えて言った。似てない、って。

｢アル兄さん、付き合わせちゃってごめんね｣
｢別に構わないんだぞ。俺も部活が急になくなって暇だったし。それにAと買い物なんて久しぶりだから、本当に楽しみだ!｣
今、私たちはショッピングモールにいる。1人で来ようと思ってたんだけど、兄が、部活がなくなって暇になったからついて行く、って言い出した。断ろうと思ったけど兄の中では決定事項になっちゃったらしく、気がついたら準備万端の兄が玄関に立ってた。あんなにキラキラした目で、
｢Aと出かけるの久しぶりだな!楽しみなんだぞ!｣
なんて言われたら、断れるはずもなかった。

｢兄さん、これとこれ、どっちが可愛いかなあ｣
｢どっちも可愛いと思うぞ?Aは可愛いから何着ても可愛いぞ！｣
ん?
｢あ、これ重いだろう?俺が持つぞ｣
｢うん、ありがとう｣
あれ?
｢ここエアコン効きすぎだぞ。寒くないかい?これ着ていいぞ｣
｢ありがとう、アル兄さん｣
あれれれれ?
なんか今日の兄は紳士すぎる。そしてそれを見た店員さんが毎回毎回、
｢お似合いですね｣
｢かっこいい彼氏さんですね｣
｢彼女さん可愛いですね｣とかっていうの。その度に訂正するのも、もう面倒だ。確実に容姿が似てないせいだろうけど、兄が紳士すぎるせいでもあると思う。
｢……カップルじゃないのに｣
｢ん?何か言ったかい?｣
｢え?あ、そろそろお腹空いたなーって｣
とりあえずごまかしたけれど、ごまかしきれてないと思う。現に兄は怪訝な顔をしてるし。
｢そうだな、もう昼だし何か食べに行こうか。何がいい?｣
高校生になるとそんなに変わるのかな。だって今までなら、何食べる?なんて聞いてくれたことなかったし。いつも兄の希望のハンバーガーかステーキだったし。
｢え、私は、お魚がいいかな｣
私は面食らいながら言った。
｢ようし!じゃあ今日は寿司にしよう!｣
……本当に、変な感じ。でも、こっちの方がかっこいいなあ、なんて。

幸い回転寿司は座るところがあって、ウエイターさんがすぐに案内してくれた。連れていかれた先はカップルシートだった。私は驚いて間抜けな声を出してしまった。
｢えっ……?｣
慌てた様子でウエイターさんが言った。
｢もしかして、カップルのお客様ではなかったのですか?｣
それを聞いた兄が、私を軽く抱き寄せて言った。

｢いいや?俺の彼女はキュートだろ?｣