【APH】空模様、恋模様。【短編集】 (ページ18)

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あかずきんとおおかみ③（露）【童話パロ】ページ18

しばらくそうして貴女を見つめていたイヴァンでしたが、ふいに何かを思い出したように明るく声を上げます。
「そうだ、君もひとりなんでしょ？いっしょにあそぼうよ！」
「もちろん！」
貴女が了承すると彼は姿勢を崩して座りなおします。それからあなたの手に握られた花を不思議そうにじっと見ています。お花畑で遊んだことがないのかもしれません。
「それ、どうするの？」
「お花の冠をつくるのよ」
貴女が自慢げに答えて茎を編み始めると、彼は目を輝かせます。
「器用なんだね」
作り方を教えてほしいとお願いされたので一緒に作りながら教えてあげることにしました。
イヴァンは慣れない手つきで少しばかり苦戦しながらも、一生懸命編んでいます。
「むずかしいね……」
「イヴァンはおててが大きいからやりにくいのかも」
「そうかなあ。確かに君の手はちっちゃいねえ」
「手袋外したらもっと上手にできると思うわ」
「……これは外れないんだよ」
楽しくお話ししながらお花を編んで、出来あがるころには2人はすっかり仲良しになっていました。
「えへへ、上手にできたよ。Aちゃんのおかげ、ありがとう」
へにゃりと顔をほころばせるイヴァンに、また胸のあたりがぽかぽか暖かくなりました。
「そういえば、君はどうしてこんなところにいるの？」
首を傾げるイヴァンに聞かれて、貴女は目的を思い出しました。貴女がおばあさまのところへおつかいをたのまれたこと、その途中で道に迷ったことを伝えると、彼は親切に道を教えてくれました。10分ほどまっすぐ東に歩けばいいそうです。
「ありがとう！ねえ、イヴァンも一緒に行きましょうよ」