episode63 ページ38
＊*＊*＊*
Aside
あぁ。ずるい。すごくずるい。
安元さんからそう言われると心がすごく暖かくなる。碧さんに励まして貰った時とはまた別の感情。嬉しくて心がすごくぽかぽかしてる。
初めて安元さん褒めて貰えたあの感覚とすごく似ている。
あぁ。ずるいなぁ。どうしてこの人の言葉はこんなに暖かいんだろう。勇気と自信を貰えるんだろう。
やっぱり、好きだなぁ。
大好き。
「まぁ、若いもん同士のことは俺には分からないから頑張れ」
「はい…。ありがとうございます」
「うん…。あー、喉乾いたな。なんか飲み物買ってくるけどいる？」
「あっえっと…も、持ってます。だから大丈夫です」
あたしは、手に持っていた水を安元さんに見せる。それを見て安元さんは「分かった」と返事をして小さく笑った。
そして壮馬を起こさないように扉を静かに開け、部屋の外へと出ていった。あたしは、壮馬の様子を見ようと静かに立ち上がり、カーテンを少しだけ開けた。
「すぅー…すぅー……」
唇の隙間から漏れる寝息がすごく気持ちよさそうだった。あたしは、ゆっくりと壮馬に近づいていく。近くで見ると本当に綺麗な顔してるなぁ。
こんな綺麗な子があたしを好きになってくれたってちょっと信じられない話だよね。
「んん…ん……あ…A？？」
「あ、ごめん。起こしちゃった？？」
「うんん。俺……あぁ、寝ちゃったのか」
「うん」と、あたしは返事を返した。壮馬は、まだ眠そうで大きく欠伸をして目を擦る仕草をした。「まだ寝ててもいいんだよ」と声をかけるが壮馬は首を横に降った。
「大丈夫…ちゃんと話したいから…」
ゆっくりと体を起こすと体をあたしの方に向けた。
「A。昨日は突然あんなことしてごめんね。びっくりしたよね…」
「びっくりした……。あのあと、頭の中がぐちゃぐちゃになって訳わかんなくて泣いた」
「あぁ…ごめん……」
「でもね。壮馬がちゃんと…ちゃんと。気持ちを伝えてくれた事。凄く嬉しかった。」
心臓の鼓動がうるさくなってちゃんと伝えられてるか分からない。分からないけどゆっくりでいい。ゆっくりでいいから壮馬にちゃんと伝えよう。
「だからあたしもちゃんと伝えるからね」
「うん…」
「あたしは…。やっぱり、安元さんが好き。すごくすごく好き。だから壮馬の気持ちには答えられない」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「声優」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハナ(プロフ) - yuriori12911さん» ありがとうございます！！日本語の勉強がなっておらず、すみません(〃・д・) -д-))ﾍﾟｺﾘﾝ時間がある時になおさせていただきます (2021年3月11日 19時) (
レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 一様はみんな同じような様なことを指すのでひとまずやとりあえずという意味合いの場合は一応か一往の方がいいかもです。 (2021年3月8日 3時) (レス) id: 83dc3f3be9 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - うわぁぁぁ(´；ω；｀)ありがとうございます〜！！ぜひぜひ！好きになってください！安元さん、良きですよ！ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - こんばんは！駒田さんの方から来ましたよ！この小説を読んでますます安元さんのこと好きになりますね笑これから更新頑張って下さい！ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
