episode61-2 ページ37
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「いいけど…。仕事は?大丈夫??」
「はい。夜からなんですけどそれまで時間が空くので」
「そっか。分かった。じゃ…近くで話してると壮馬に悪いからカーテン締めて外にいようか」
「はい。ありがとうございます」と小さな声で彼女はお礼を言った。カーテンを締め、その外側で俺らは丸椅子に腰を下ろした。
「……あ、そうだ甃井さん。昨日ごめんね。花火大会行けなくて。仕事が夜中までかかってさ…。」
「あっ…だ、大丈夫です!!お仕事お疲れ様です」
「ありがとう…。…………あのさこんなこと聞くの野暮かもしれないけど壮馬と喧嘩でもしたの?」
「えっ!?いやその……喧嘩というか…なんというか……壮馬に今まで溜め込んでた気持ちを全部吐き出されたっていうか……まぁ、そうですね、喧嘩なんですかね…」
と視線を下に落としながら話した。その表情はとても悲しそうで今にも泣いてしまいそうだった。
「ちゃんと、言おうと思ったんです。気持ちを。でも、その。いざ言おうと思ったら。もう、なんて言っていいか分からなくて。こういうの苦手だから。頭の中がぐちゃぐちゃになって。情けないなぁって」
「うん…」
「もうなんか。嫌いになっちゃいそうです。自分自身が」
と言うと甃井さんは下唇を噛んだ。目に涙は溜めているけれど俺の前じゃ泣きたくないんだろう。泣くのをぐっと堪えてるように見えた。
「甃井さんは、本当にすげぇ人だと思うよ」
「……え?」
「甃井さんは、努力家を怠らなくて何にも一生懸命だと思う。だから自分を嫌いにならないで欲しいな。伝えることが苦手なら前に俺に言ってくれたみたいに単語でも途切れ途切れでもゆっくり伝えてみな。壮馬ならちゃんと受け止めてくれと思う」
「ちゃんと…出来ますかね…。」
「甃井さんならぜってぇ、出来るって」
俺には、今の彼女を励ますことしか出来ない。下を向く彼女の頭に手を置き、優しく撫でた。
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ハナ(プロフ) - yuriori12911さん» ありがとうございます!!日本語の勉強がなっておらず、すみません(〃・д・) -д-))ペコリン時間がある時になおさせていただきます (2021年3月11日 19時) (レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 一様はみんな同じような様なことを指すのでひとまずやとりあえずという意味合いの場合は一応か一往の方がいいかもです。 (2021年3月8日 3時) (レス) id: 83dc3f3be9 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - うわぁぁぁ(´;ω;`)ありがとうございます〜!!ぜひぜひ!好きになってください!安元さん、良きですよ! (2020年7月22日 22時) (レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - こんばんは!駒田さんの方から来ましたよ!この小説を読んでますます安元さんのこと好きになりますね笑これから更新頑張って下さい! (2020年7月22日 22時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
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