☃️ ページ8
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「ぷーも悪くないよ。ちょっと体ビックリしちゃただけ」
「んーん。…ちが、」
「だからたっちゃんと約束しよ?体辛い時、遠慮しないこと。迷惑なんかじゃないから。そういう時はうーんと甘えて欲しいな」
これ以上、ぷーが自分を否定しないように俺からお願いした。ぷーは涙を零しながら「ぅん…」と、小さく頷く。
「んー!さすが俺の妹!!いい子だ!」
頭を撫でてやるとちょっとだけ表情が柔らかくなった気がする。
「たっちゃ…、」
「ん?どした?」
「さっそく…あまえて、いい…?」
「うん。いーよ」
「アイス、食べたい…、コンビニで売ってる、いつものバニラのやつ」
「分かった。ぷーの好きなやつな。買ってくる」
「あ、あと……」
「うん?」
「はちみつ、いっぱい、かけて、ほしい…」
「OK!OK!今買ってくるから大人しく寝てろよ〜」
「ぅん……」
ギリギリ聞き取れるくらいの声で返事をして、ゆっくりと目を閉じた。ちょっと苦しそうだけど寝息が聞こえてきて一安心する。
「辰哉ぁー」
部屋の外から小声でAが名前を呼んだ。ぷーを起こさないように俺はそっと部屋を出る。
「おう、美寿の調子どう?」
「今ね、寝たとこ。熱も下がってきた。真桜は?大丈夫?ちょっと苦しくなっちゃった?」
「うん。風邪もこじらせてて、急に発作来たからびっくりしたみたいだけど…今、寝れたみたい」
良かったと、肩を撫で下ろし、ホッとした様な表情を見せる。真桜が倒れた時に慌てて行って、そのまま美寿を任せっきりだったから心配かけてしまった。
「いやぁ、辰哉いてほんと助かったよ。仕事で抜けらんなかったからさ…マジでありがとう」
「いいって、いいって!可愛いお姫様達を守るのもお兄ちゃんのお仕事です」
お互いに拳と拳を軽くぶつけ合う。今回は俺の方がお礼を言われたけど俺がAに助けもらうことだってもちろんある。
自分で言うのもなんだけどこういう時の双子ってマジで連携プレーがすげぇ。
「そういう所は、頼もしいよね…」
「あれ?他は?!」
「冗談だよ」と、Aは小さく笑った。涼太が夕食を取り分けてくれていたらしいく、早く食べようと、声かけてくれる。
だけど俺はまだやることがあんだなぁ。
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