※弱くたっていいじゃん ページ20
＊*＊*
いじめ表情あり
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亮平side
「あそこのトリック最高に面白かったよね？」
「うん！…いままでに、ない感じで新鮮だった。犯人が奥さんだったのもなんとなく、気づいてたけど犯行の理由を知るとさらに納得だったよね」
「そうだよね！やっぱこの人の書く文章って面白いよな〜」
フリースクール帰りにたまたま、彼女とばったり会って新作の小説の話で盛り上がっていた。あれから彼女とは新作が出る度にこうして、感想を語り合っている。
「そういえば、亮平くん」
「ん？」
「この人の、短編集。読んだこと…ある？」
「え！ない！！短編集なんか出てたっけ？」
たまたま見つけたと、鞄からその本を取り出した。どうやらデビュー前に書いていたものをまとめていたものらしく、発売も告知されないものだったからほとんど世には知られていないらしい。
「え〜！すごいね！本屋さんで見つけたの？」
「ぅん。たまたま…」
「すごいね！読み終わったら今度貸してもらってもいい？」
「うん！…もちろん！…」
楽しみだな〜ってワクワクしながら歩いているとすれ違いざまに男性と肩がぶつかってしまった。
「あ、すみま…せ……ん」
「あれー？！亮平じゃーん！」
「え、マジ？」
「わっ、隣ブー子もいるじゃん！」
血の気がさぁっーと下へと下がっていくのがわかった。
あいつらだ…。体が強ばって呼吸が浅くなっていくのが分かる。
怖い、やだ。逃げ出したい…。
「なに？お前ら付き合ってんの？マージでお似合いだなぁ！ははっ！」
「あ、いや、ちが…」
「は？なに？聞こえないんだけど？もっと、ハッキリしゃべってくれますかー？！？」
「い、あ、……あ、」
服をぎゅっと掴んで、目に涙を貯める彼女。
落ち着け俺。今は俺じゃない。彼女だって怖いんだ。俺が守らないと。もう、悲しいも思いはさせたくない。
「……久しぶり。」
そう言った時の声はもしかしたら震えていたかもしれない。
俺は彼女を隠すようにして、あいつらの前に立った。平然を装いながら彼女をすぐ逃がせるように準備をしておく。
「お前ら学校に俺らのことチクったろ？マージであのあと推薦もなくったし、学校でも浮いちまってさ〜、お前らのせいで居ずらいんだけど、どうしてくれるの？」
自業自得じゃん。と心の中で言いながら相手を刺激しないように黙って話を聞く
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