☃️ ページ12
＊*＊*
翔太side
いきなり何を聞くかと思えば…笑。
「ねぇー！どうなん？好きなんか？」
「いやー、人それぞれじゃね？」
それじゃ答えにならん。と不満気な表情をする。求めていた回答じゃなくて悪かったな。と悪態をつき、ふと、姉ちゃんの足元を見ると見慣れた化粧品会社の紙袋が見えた。
「姉ちゃんそれ…」
「んぁ？……あっこれは！！」
咄嗟に姉ちゃんが紙袋を椅子の下に隠した。姉ちゃんが化粧品買うなんて珍しい！と思い、俺は隙をついて姉ちゃんからその袋を取り上げる。
「コラ！翔太！返しなさい！！」
「やーだ！姉ちゃんが化粧品買うなんて珍しいじゃん！何買ったか見してよ！」
「大したもんじゃないってばー！！」
揉み合いになりながら袋の中身を取り出すとハンドクリームが入っていた。
「へ〜、ハンドクリームかぁ。姉ちゃん手荒れてるもんなぁ」
「そ、そー！姉ちゃんハンドケアしようかと思って…」
なんて明らかに動揺した様子で答えてる。
姉ちゃんが？ハンドケア？バレてない思ってるかもしれないけどんな事、嘘だってすぐ分かる。
だって姉ちゃんは面倒くさがりでハンドケアとか一切やらないし、普段の化粧も必要最低限。
そんな姉ちゃんが？急になんで？
怪しい………。
「ふーん。ちなみにこれ、姉ちゃんみたいにめっちゃ荒れてる人には使いにくいと思うよ」
「えっ！なんで？！」
「刺激成分がいっぱい入ってて強いから、かなり染みっと思う」
マジか…。高かったのに…。と落胆する姉ちゃん。
やっぱなんか怪しいな…。
突然、手が綺麗な人が好きなんか？っていきなり聞いてきたのも正直気になるし。あれ…もしかして？
「姉ちゃん、好きな人でもできた？」
「ふぇ？！」
「ふわっ！？？！」
「いやなんで、辰兄も驚く？てか、いたの？」
＊
辰哉side
今日は休みでソファでボッーと、しているの聞きづてならない話が聞こえてきた。
Aに好きな人が……？！！
「いやいやいや！！そういう訳じゃなくて！マジのマジのハンドケアしようかなって！接客業ですから？？」
「嘘だ〜！姉ちゃんそういうの普段興味ねぇじゃん！それに手が綺麗な人が好きなんか？って急に聞いてくるってことは、その好きなやつが手が綺麗なヤツが好き〜！とか言ってたんだろ！」
「A…ついにお前にも春が…？どんな男だ！兄ちゃんに会わせろ？！」
「うるさい辰哉、黙れ」
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