☃️ ページ5
＊*＊*＊
涼太side
姉さんを見送って朝ごはんもあとは盛り付けるだけ。よし、みんなを起こしに行くか。
うちの兄弟は朝が弱い人が多い。だからこうやって、兄弟達を朝起こしに行くのは日課のひとつ。
特に辰兄と蓮。辰にぃは会社の関係で普段から徹夜するからそのせいで朝起きられないこともあるんだけど一番の理由はゲーム。
新作ゲームやりすぎて、寝落ちして朝起きられないなんてざらにある。それで照兄や姉さんに怒られることなんて日常茶飯事。
長男だけど長男ぽくないよね。まぁそれがいい所なんだけど。
蓮はとにかくよく寝る。よく食べるし。健康体な証拠なんだろうけど1度寝たら起きないのは起こす側としても少し大変だ。
「ふぁ〜…涼太兄さんおはよう〜」
「おはよう。亮平。昨日も遅くまで勉強してたの？」
「ん〜？なんで？」
「目の下クマできてるよ」
「えぇ！嘘？」
辰兄を起こしに行く途中、家で1番頭のいい亮平と鉢合わせた。兄弟の中でも唯一、進学校って言われる高校に通ってる亮平は、勉強が好き…らしく、のめり込むととことんやってクマを作ってしまうこともしばしば。
頑張りすぎてちょっと心配になる時がある。
「え〜…クマとれるかな…」
「ホットタオル当ててごらん。そしたら少しはマシになるかも」
「ホットタオルか〜…やってみる」
「うん。あー、もうご飯出来てるから好きな時に食べなね」
「ありがとう〜」と、ちょっと寝ぼけた声で答えながら洗面台へと向かった。
＊
2階へ上がるとさっき名前が出ていたあの人が見慣れたジャージ姿で部屋を出ているところに鉢合わせた。
「おぉ、おはよう。涼太」
手にはスポーツドリンクとハンドタオル。今日は走ってくるのかな？
「おはよう。照兄。走ってくるの？」
「うん。軽くね。姉ちゃんは？もう行ったの？」
「今日は市場にいくからもうでたよ」
「そっか。相変わらず大変なのな。花屋って」
「そうだね。あ、ご飯出来てるから好きな時に食べてね」
「ん。いつもありがとう」
「どういたしまして」
照兄と別れ、俺は3階へと上がった。まずは姉さんからの言いつけどうり、辰兄を起こしに行く。辰兄の部屋をと一定のリズムで3回ノックする。
「辰兄？涼太だけど？起きてる？」
数秒まっても辰兄から返事はない。こりゃ起きてないな。仕方ない。
部屋のドアを開けて俺はいつもどうり辰兄の部屋へと入っていった。
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