雪宮家の日常 ページ4
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Aside
眠たい目擦りながら起きると時刻は朝の4時。今日は今日とて市場に花を仕入れに行かないといけないからこんなに早起きなのです。
それと兄弟たちの朝食も。うちは涼太と私が料理担当でお互いに当番制で朝飯を作っている。夕飯はそれぞれ、作れる人が作れるって感じ。
10人分の朝食を作るとなると流石に早起きしないとね!
……まぁ、それにしたって眠いんだけどね?
「ふぁ〜…あれ…涼太おはよう」
自分の部屋を出て、キッチンに向かうと我が家の料理担当の涼太が既に朝食の準備をしてくれていた。
「おはよう、姉さん」
「ありゃ、今日涼太当番だっけ…?」
「うんん。姉さん、今日花の仕入れで朝早いと思ったから朝ごはん先に準備しておこうかと思って」
涼太っ…!!なんていい弟!!
「ねぇ、あんたはいつからそんな優男になったの?お姉ちゃん嬉しすぎて涙でそうなんだけど?」
「生まれた時から」
「そうか…生まれた時からか」
「…今のボケたつもりだったんだけど??」
「え?」
*
涼太と一緒に協力して朝食を作り終え、あっという間に私の出勤時間になってしまった。カバンにとりあえず必要な荷物だけを持って玄関へと向かう。
「じゃ、みんな起こすのお願いしていい?」
「うん。全然大丈夫。照兄ぃと亮平は黙ってても起きてくるだろうし」
「確かに。あの二人は早起きだからね!とくに照。あっ、ごめんだけど辰哉は先に起こしておいてくれる?あいつ、今日プレゼントがどーのこうのって言って徹夜してたみたいだからさ」
「うん。分かった」
「よろしくね!」
「あ、そうだ。姉さんちょっとまって」
何かを思い出したように涼太はキッチンに戻り、赤色の巾着で包まれた何かをくれた。
「なーに?これ」
「おにぎり。今朝、炊いたご飯で作ったから美味しいと思うけど。朝早いから。お腹すいたら食べて」
「りょ〜たぁ〜お前はなんていい子なの〜??」
頭をわしゃわしゃっと撫でると照れくさそにやめてよと答えた。
昔はねぇねぇって言ってたのが姉ちゃんになって、今じゃ姉さん。
おまけにこんなに優しい気遣いが出来るようになってほーんと成長って早いなぁ。お姉ちゃん嬉しい。
「涼太!」
「なぁに?」
「おにぎりありがとう!いってきます!」
「うん。行ってらっしゃい」
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