☃️ ページ17
＊*＊*＊
涼太side
翔太の様子がおかしいと思ってたのはココ最近の話。
俺だけじゃなくて他の兄弟達も気づいていたけど翔太は、変に心配されるのを嫌うから自分で話してくれるのを待っていた。
でも翔太は全然話してくれなくて、時折見せる表情はとっても辛そうだった。
＊
友達と別れ、夕食の買い物をしにいつもと別の帰り道を帰っていると翔太の後ろ姿を見かけた。
「翔太っ〜！」
思わず声をかけると体をビックと震わせて、いつもの笑顔を見せる。
やっぱり…何か隠してる…？
姉さんも言っていたけど双子って言うのは厄介なもので片割れのちょっとした表情や気持ちを読み取れてしまう。
今の翔太は、いつもの翔太を取り繕うと必死に見えた。
「ねぇ翔太」
「なんだよ！早く帰ろうぜ！」
「やっぱ、なんかあったでしょ」
「……なんもねぇーって。」
「嘘だ」
「嘘じゃねーよ」
「最近ずっとおかしい。無理して笑ってるの気づかないと思ってた？」
翔太のそんな顔見たくない。翔太には笑ってて欲しい。これは俺のエゴだって知ってる。でも、そんな顔されて放っておける訳ないじゃん。
「翔太。苦しい時、助けてって言っていいんだよ。そうじゃないとわかんない。助けられない」
俯く翔太の目の前に立ち、目を見て俺の今の気持ちを全身全霊でぶつけた。少しでも届けばいい。そんな思いを持って。
「言っても、誰もっ、たすけてくれないっ…」
「俺は助けるよ。翔太の声ちゃんと聞く」
何があっても俺が翔太を守る。
「たすけてっ…たすけて、りょうた」
絶対になにがあっても。
「うん。助けるよ」
Fin.
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