episode151 ページ26
＊*＊*
Aside
タイマーの音が聞こえ、ゆっくり目を開けると愛しい人の顔が見えた。ほっぺたが枕にくい込んで変な顔になっている。
……可愛い。
昨日とは違う姿に私は、思わず笑ってしまった。洋貴さんの頬を指でつつくと大きな体を小さく縮こませる。ほんとにくまさんみたい…。
「ん〜…」
「洋貴さん」
「んぅ…？起きたの？」
「起きました」
「ん〜…おはよー」
「おはようございます、ふふっ」
「なに、にやにやしてんのよ」
「洋貴さんくまさんみたいだなって」
「何それ」
ベットの中の何気ない会話ですらこんなに愛おしい。この人のことを好きになれて、心底よかった。そう思えた。
＊
それから数ヶ月後。
「まって、すげぇ緊張する」
「だ、大丈夫です！ぱっとだして、ぱっと帰りましょう！」
あたし達は婚姻届を手に役所へと向かっていた。2人とも緊張していて、体はガチガチ。役所の人の「おめでとうございます」に照れながらもお辞儀で返した。
外に出ると少し肌寒い風が頬を通り抜けた。暑さは通り過ぎたと言え、まだまだ気温は高くじんわりと汗が湧いてくる。
あたしは洋貴さんと手を繋ぎ、ゆっくりと家までの街乗りを歩いていた。
「あーいうのって、ありがとうこざいますで良かったんですかね」
「あー…どうなんだろう。俺ら、緊張しすぎてお辞儀しかしてなかったもんな」
「そうですね。役所の人に変な目で見られてましたもんね」
「だな、『え？大丈夫？』みたいな感じ」
「そうです、そうです。あーでもこれで、なんか。改めて実感できるなーって思いました」
「夫婦になったって？」
「はい。あたし、洋貴さんの奥さんになれたんだなーって幸せだな〜って」
好きという気持ちは伝わらなくてもいいと思ってた。いや、正確には伝える勇気が無かった。でも、こうして洋貴さんと身も心も繋がって、そして夫婦になった。
今でも夢のようでとっても幸せ。
「俺もAと結婚出来てほんとに幸せだよ」
「洋貴さん」
「だからこれからも2人でいっぱい、幸せ作っていこうな」
あたしはその問いに「はい！」と大きく頷いた。
これから幸せの数だけ悲しいことも沢山あると思う。
けど、洋貴さんとならなんでも出来る。
2人でなら。きっと大丈夫。
[完]
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ハナ(プロフ) - うどんさん» コメントありがとうございます😊そのように思っていただけて書いた本人としては本当に嬉しい限りです！！！宜しければ他の作品もご覧下さい🥰 (2023年4月24日 11時) (
レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 今日知って一気に全部読んでしまいました！ほんとよかった…！二人が結ばれるまで色んな困難があったけど結ばれてよかった！ピュアで真っ直ぐに思い合う二人の描き方が好きです。続きいつまでも待ってます。 (2023年4月24日 3時) (レス) @page29 id: e32b43a123 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - ぷかぷかまふぃん。さん» コメントありがとうございま！ご愛読頂き、ありがとうございました😊次の作品も良ければご覧になってください！ (2023年2月10日 8時) (レス) id: 04da2ae895 (このIDを非表示/違反報告)
ぷかぷかまふぃん。(プロフ) - すごく面白い作品でした！更新されるたび楽しく読ませていただいてましたありがとうございます！お疲れ様でした！ (2023年2月10日 7時) (レス) @page27 id: 863ee42606 (このIDを非表示/違反報告)
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