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＊*＊*＊
「照くん、おはよう！」
「おはよう」
朝になり、昨日と同じ車両へと足を踏み入れる。先に起きていたAがふっかと向かい合うようにして朝食を取っていた。
俺は2人のちょうど中間になる位置に腰を降ろす。
「照くん、眠そう笑。昨日ちゃんと寝れた？」
「少しね。Aは？」
まぁまぁかなと、朝食の卵を口に頬張った。美味かったのか目を見開いて、もう一口卵を頬張る。
「なんか…2人とも仲良くなってない？」
「そんなことないですよ、普通です。ね？照くん」
「うん。普通」
「え〜、絶対昨日より仲いいじゃ〜ん？」
怪しむふっかをよそに、朝食をさらに取り分けた。
朝食を取りながらゲームの細かい部分について話をしていると、話題は
「そもそもどうやって、
「簡単だよ、有名人になればいい」
「答えになってないですよ。ふっかさん」
「ごめんごめん…笑 なんて言ったらいいかな。首都の奴らっていうのは娯楽を求めて、ハンガーゲームを見ている。そいつらにとって夢中になる存在になればいいってことかな」
「説明あってる？笑」と、俺ら2人を見回して聞いた。
何となくは理解出来た。簡単に言えば、アイドルや俳優のような憧れられる存在になればいいってこと。けどそうは言っても、そんな存在になろうとしてなれるものなのか…？
「俺、あんまり人に好かれるタイプじゃないんだけど…」
「私も、いきなりそんな存在にはなれる自信はありません…」
「そこは大丈夫！2人を魅力的に見せるために''コージ''に色々と頼んであるから！」
「コージ？誰それ」
行ってのお楽しみだとふっかにはぐらかされてしまった。ふっかの話している様子からして、悪い人では無いんだろうけど…。一体、どんな人なんだろう。
「それより、2人とも。外を見てみな！
窓の外を見ると霧の中から忽然と首都のメインシンボルとなるタワーが現れる。壁に囲まれた街の中に佇むタワーは、そこが首都であることを強く表現していた。
「すごい…」
「驚くのはまだ早いよ」
壁の中に入るとそこは見たこともないような景色が広がっている。見上げるほど高いビルに、高級そうなアクセサリーや時計を身につける住民たち。見たことの無い食べ物。
何もかもが新しいもので満ち溢れていた。
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