恋の15㎝ (ページ5)

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遅くなった今日は、簡単なものしか作れなくて

うどんとおにぎりと味噌汁

紫耀の分は小さく刻んで

飾りで買った小さいお椀にいれた

紫「よくこんな小さいのあったな」

『飾りで買っただけだよ
　それより自分が小さいこと
　全く気にしないんだね』

紫「まあな～。あ！俺のスマホは？」

『あ、そうだ。はい。』

洗濯物にいれないように

ポケットにいれていた紫耀のスマホを

取り出した

紫「ありがとー。ご飯食べ終わったら
　大家さんに連絡して
　学校も……どうしよっかな～」

『ほんとだ。学校あったね』

紫「親が病気にかかったので
　治るまで名古屋に帰ります！
　これでいいよな！よし、たーべよ」

いただきます！の元気な声のあと

おいしい！の声もした

『そんなおおげさな』

紫「まじ美味しいんだって！
　俺これから食べれるとか
　世界にこんな幸せもん
　俺くらいしかいねーよー」

『ほんっとおおげさすぎー』

バカみたいにはしゃぐ紫耀を

可愛いなって思って

思わず笑みがこぼれた

紫「え、なんかついてる？」

『う、ううん』

上目使いで見つめる紫耀に

なぜか胸がキュンとした

紫「なーんだ。んー！これもうまい！」

口をパンパンにして頬張る

『喉つまるよ？』

紫「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

言わんこっちゃない

『もう、大丈夫？』

人差し指で紫耀の背中をさする

ねえ、じい。

紫耀との生活も悪くないかも