恋の15㎝ (ページ4)

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S side

さっき起きたつもりが

いきなり誰かに殴られたのか

すごい腹痛に襲われて多分、気絶

そんでつぎ起きたらAの顔

紫「Aでかくね？」

『紫耀がちっさくなったの』

紫「は？」

『ほら』

街灯で照らされてしっかりと自分の姿が

Aのスマホにうつる

紫「夢？」

『そんなわけ。岩影で見つけたの』

紫「いって……まじで夢じゃない」

自分の頬をつねってみたけど

しっかりと痛みを感じる

『だから言ってるじゃん
　悪いけど一年間とちょっとだけ
　私の家に一緒にすんでね』

紫「一年ちょっと？」

『そう。じいが薬作るのにそれくらい
　かかるらしいからさ』

紫「Aのじいちゃん、研究者か」

『そうだよ』

Aと住めるなら小さくても全然いいや

紫「俺も一人暮らし卒業かー！」

『ちょっとの期間だけどね。よいしょ』

(がちゃっ

Aの家いざ入場！

『ソファー置くね』

紫「うん」

『あと制服、洗っとくから』

紫「おけ、脱ぐ……え！？」

ハンカチに包まれてるだけ！？

『あ、だ、大丈夫！見てないから！』

紫「あ、や、えっと……」

『多分、そのサイズの服ってリカちゃんの
　人形の服しかないと思うんだけど』

リカちゃんのって高かったよな

紫「俺、このハンカチだけでいい」

『だーめ！体弱いし免疫力もないんだから
　風邪引いちゃうでしょ』

紫「俺べつにそこまで体弱くないし
　免疫力もないわけじゃないけど」

『小さくなるとそうなるんだって
　じいが教えてくれた』

紫「風邪ひきやすいとか？」

『まあそんな感じ』

紫「うわぁ。なあ、Aのじいちゃんとこ
　いつ行ったんだ？」

『紫耀が気絶してる間。
　ご飯つくって食べたら
　服作ってあげるからまってね』

紫「あ、ありがと」

Aが作ってくれたご飯も食べれて

Aが作ってくれた服も着れて

体弱いのは最悪だけど

小さくなるって最高じゃね！？