最終話 and あとがき ページ50
最終話
あの後、俺はあの場から直ぐに動けなかった。
どこにも行かないように強く抱き締めていた筈なのに、気が付けばアイツはどこにも居なくなっていた。
もしかしたら、またひょっこり壁を通り抜けて俺の部屋にでも現れるんじゃないかと思う反面……
本当にもう二度と会えないんだろうな、という実感が気持ち悪いくらいあった。
そしていま、俺はアイツの墓の前にいる。
「流石金持ち……無駄にデケェ墓だな」
供え物なんか持ってくるワケねぇだろ。手ぶらで来た俺を、またあいつが「礼儀がなってない」とグチグチ言いそうだ。
思えば随分、こいつに振り回された気がする。
「結局、勝負は俺の勝ちだな」
くそっ……あん時の事を思い出すと腹立つ。
「てめぇの敗因はひとつ、てめぇが間違ってたからだ。命を尊く思わない人間は嫌いだと……そうほざいていたてめぇが１番、自分の命を軽くみてた」
家族に殺されるって分かった時
全力で抵抗しなかった。
だからてめぇは負けたんだ。
「来世で会う時は、もっと賢い女になってろ。１人で何もかも背負うなんて馬鹿なことすんじゃねぇ」
分かったな、そう言い放つと
俺は墓場を後にした。
待ってろよ、腹黒女。
俺はこんなんじゃ満足しねぇ。
次に会った時
今度は俺がてめぇを振り回す番だ。
〜 Ｆｉｎ 〜
＊＊＊
あとがき
最後まで読んで下さりありがとうございました。
『死生、命あり。』はこれにて完結です。
爆豪は彼女が好きだからこそ自由を願い
彼女は自由を捨ててでも爆豪を好きでいたかった。
彼女が成仏しても爆豪はけっして
「好きにならなければよかった」とは
思っていません。
それが彼女の幸せだったからです。
ハッピーエンドとは言い難い結末ですが
それでも主人公は幸せだったと思います。
命を題材にした作品だったので
読んでいて「重い」と感じたかもしれません。
ですが、命とは「重い」ものなのです。
『死生、命あり』
ことわざですが
知らない方も多かったんじゃないでしょうか？
この機会に、是非覚えておいて欲しいです。
さて、ではこの辺で
ここまで読んで下さった読者様
お気に入りに追加して下さった方
コメントをして下さった方
本当にありがとうございました。
また、どこかで
会えるのを祈りつつ。
作者、NAOKI。
.
終わり
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
