第41話 ページ44
第41話
八百万さんのＧＰＳが示す場所まで到着した。そこには、脳無が大量に保管されていて部屋の奥から誰かが現れる。
得体の知れないオーラを放つ男、オールフォーワンは集まった実力派ヒーロー達を一瞬で全滅させた。
物陰に隠れ一歩も動くことが出来ない僕達は、バグバクと鳴り止まない心臓の音を必死に沈めようとする。あの男は危険だ、そう本能が告げていた。
全員、頭が真っ白だ。
「返事はしなくていいから、そのまま聞きなさい」
生徒会長が小さな声で喋る。
横目で生徒会長を見ると、その顔は真剣そのもので微塵も笑っていなかった。生徒会長もこの状況はかなりヤバいと感じているからだろう。
落ち着いているけど、いつものような余裕は感じられない。
「私は死んでいるから怪我をする事もないわ。だから私があの男の気を引いているうちに、隙をついて逃げなさい。チャンスは１度だけよ」
生徒会長を囮にするってこと？
でも、正直それ以上にいい案なんて浮かばない。「絶対に無事でいてください…！」と小声で言うと、生徒会長はニッコリと笑ってスゥ…と姿を消した。
「初めて、あなたがオールフォーワンね？」
「おや？こんなに若い知り合いは知らないが……どこから湧いたのかな？」
生徒会長がオールフォーワンの背後に現れる。
ていうか、なんで生徒会長がオールフォーワンの名前を知ってるんだ！？
いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない。せっかく生徒会長がオールフォーワンから僕達が刺客になるように立ってくれているんだ。
自分達のやるべき事をやらないと。
「鳳憑Aと言います。以後お見知りおきを」
「…………鳳憑？聞いたことのある名だ」
「そうでしょうね。我が鳳憑家の初代は、あなたと協力関係にあったそうですから」
オールフォーワンは少し考える素振りを見せたあと、思い出したかのように「ああ…」と笑う。
「なるほど、彼女(初代)の血筋か。これは驚いたな……まるで生き写しのようだ。君と彼女はとても似ている」
「初代のこと覚えていらしたんですね」
「覚えているさ、忘れるはずもない」
なぜなら……とオールフォーワンが生徒会長の顔に手を伸ばす。
「私が手に入れられなかった女だからね」
スカッとオールフォーワンの伸ばされた手が、生徒会長の顔を通り抜ける。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
