第35話 ページ38
第35話
目を覚ますと、そこは病院だった。
徐々に状況を把握し思い出す。林間合宿３日目の夜にヴィランに襲撃され……かっちゃんが攫われた。
やがて現れたクラスの皆と話し、切島くんの提案でかっちゃんを助けに行くことにする。皆はそんな僕達を止めるが、皆には内緒で夜に決行することにした。
そして夜
病院の外で集まった僕と切島くん、轟くん、飯田くん、八百万さん。
「意気込んでいる所悪いけど、あなた達はここにいなさい」
「生徒会長……！！」
僕達の前に現れた真面目な顔の生徒会長。
笑ってない顔を見るのは初めてかもしれない。
「あなた達だけでは危ないわ」
「そういうアンタは行く気満々みたいだな」
轟くんの気の強い言葉に生徒会長が目を細める。正直この２人の睨み合いは少し怖い。
「俺たちは八百万のＧＰＳがあるから分かるけど、あんたには爆豪の居場所分かるのか？」
「爆豪勝己に私だけが分かる印をつけているのよ。誘拐された夜に気配が消えて……ついさっき気配が戻ったわ」
「あんたなら一人でも大丈夫とでも言うのかよ」
「私はもう死んでいるから、危ないも何も無いわ。けれどあなた達には怪我をすれば心配してくれる人達がいる。帰らなければ悲しむ人がいる。……そんな人はいないなんて、頭の悪いこと言わないわよね」
生徒会長の言い分は分かってる。
でも、それなら生徒会長だって
「生徒会長だって、消える可能性があるんですよね。だったら生徒会長の家族とか……────」
「いないわよ」
「……………え？」
「心配してくれるような家族なんて、いないわ」
ねえ、轟くん。そう言って轟くんを見る生徒会長につられて僕達も轟くんを見る。
轟くんは気まずそうに目をそらした。
どういうこと？
「分かったら戻りなさい」
「……それでも」
それでも、僕は
「歯を食いしばって待ってるだけなんて、僕には出来ません」
「…………………」
「ごめんなさい、生徒会長」
そうハッキリ言うと生徒会長は深い溜め息を吐いた。フッと優しい笑みをすると僕達に背を向ける。
「本当に、ヒーロー志望の人って我儘ね」
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
