第24話 ページ27
第24話
雄英体育祭。
全国が注目する一大イベントの予選、障害物競走では２位。続く騎馬戦では飯田の活躍もあり1000万ポイントを獲得し１位。
緑谷の威圧感に気圧され、俺は左の炎を使った。使わないって決めてたのに。
緑谷を呼び出し改めて宣戦布告した俺は、１人誰もいない所で心を落ち着かせる。俺は今日緑谷に絶対勝たなきゃならねぇ。
「こんにちは、轟焦凍くん」
ハッとして前を見ると、すぐ目の前にあの幽霊がいた。たまに学校へ現れてはいつの間にか消えて、またひょっこりと現れる。
確か、爆豪と緑谷の知り合いだったな。
話しかけられるのは初めてだ。
「難しい顔してるのね」
「あんたには関係ねぇだろ」
「別にあなたの左側について言ってるわけじゃないわ」
こいつ、話聞いてたのか？
ギッと睨みつけるがコイツは微笑んだままフワフワと宙を舞う。長い黒髪が揺れ、楽しそうにも見えた。
「俺に何の用だ」
「用がなければ話しかけては駄目だったかしら？爆豪勝己に追っ払われて、あなたが居たから声をかけてみただけよ」
「……そうか。悪い、今は１人にして欲しい」
今は次のトーナメント戦に集中したい。
ふふっ、と笑うとコイツは俺にズイッと近寄り手を伸ばしてきた。そっと俺の左側、火傷の痕に手を添える。
けど、触られてる感覚はない。
「現れるといいわね」
「……………なんの話だ」
「あなたにとってのヒーローよ」
余計なお世話だ、と手を叩くがスカッと通り抜ける。そうだ幽霊だから触れねぇのか。
「まあ、お家に囚われるあなたの気持ちも分からなくはないけどね」
「…………」
前に八百万が言ってたな。
“鳳憑”ってこいつが名乗ったのを聞いて、ここら辺じゃ有名な名家だって。自分もそうだったってことか？
けど、お前は俺と違って
「死んで……自由になったんだろ」
目を逸らしポツリと呟く。
途端、こいつの顔に影が落ちる。
なんだ……。
表情は変わらないのに、急に威圧感が…。
「────……そうね」
でも、と続ける。
同い歳とは思えない大人びた雰囲気。
「私はその“お家”に殺されたのよ」
……ころ、された？
家族に殺された？
そんなこと
有り得るのか？
「あなたがこの先、囚われたままで私のように大事なものを見落とさないことを祈るわ」
「………いまの話、爆豪は」
「知らないわ。だから秘密よ」
そう言うと、鳳憑はスゥと消えていった。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
