第23話(挿絵付き) ページ26
第23話
鳳憑Aが幽霊となって現れてから１週間が経ち、なにも進展しないまま雄英体育祭を迎えた。朝のランニングから帰って汗を流そうと風呂場に向かう。
上の服をガバッの脱ぐと、はあ…と溜め息を吐いた。
「朝からご苦労様」
「んだよ変態女、居たのか」
「誰が変態よ……」
ムスッとした顔。
コイツは胡散臭い笑い方か腹黒い笑い方しか表情がねぇのかと思ったが、以外とこういう顔もするんだな。
にしても同世代の男の風呂場に現れるとか、何考えてんだ。別に俺もねぇけどコイツにも羞恥心ってもんがない。
「こっちくんな部屋にいろ」
「背中でも流してあげましょうか？」
「やっぱ変態じゃねぇか。いらねぇよ」
「あなたの裸に微塵も興味湧かないわ。ふふっ、男としての魅力がないのね」
「あるわボケ！！」
殴り掛かるが、俺の拳はこいつの体をスカッと通り抜ける。クソッ……さわれねぇから殴ることも出来ねぇ。
つうか、俺が触れないってことは
「てめぇもモノさわれねぇのに、背中流すもクソもあるかよ」
「あら、さわれないなんて言ってないわよ」
「……は？」
フッ…と笑うと鳳憑は手を伸ばす。
血液の通ってない真っ白な手が少し光り俺の頬にふれた。ゾクッとする、冷たい手だ。
ふれられてる。
ふれられてるのに……遠く感じた。
「さわられることは出来ないけど、私はさわれるわ。さわろうと強く思わなければ無理だけどね」
「っ………」
振り払おうと手を叩くが、俺の手はやはりスカッと通り抜ける。
「それが出来んなら、普通に勝負しろや！」
「私だけ一方的にふれることが出来るのはフェアじゃないでしょう？それにこれ、結構疲れるのよ」
「……クソッ！！とりあえず出てけ！！」
はいはい、とクスクス笑いながら出ていく。
からかってんだろアイツ！！
あいつの冷たい手でさわられた感覚が
俺の頬にまだ残っていた。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
