第21話 ページ24
第21話
「────……つまり君は、ただ爆豪勝己に憑いているだけだと？」
「ええ、成仏したいだけですよ」
鳳憑Aと名乗ったこの女の子。
15歳で死んだのか。
ＨＲが終わって俺は校長の元に連れていった。他の教職員がじっと見つめる中、緊張もせず堂々とした立ち居振る舞い。
肝が据わってやがるな、コイツ。
「君の気持ちは分かるけど、ここは雄英。部外者が容易に出入りしているとなれば生徒の中で混乱が起こりかねない。マスコミに知られれば雄英の管理体制に疑問を持たれるだろうね」
校長の言う通りだ。
事情は分かるが、だからと言って許すわけにもいかない。
幸いにもコイツを見たのは俺のクラスだけ。これ以上ふらふらと出歩いてもらっちゃ困る。
「なら、あのクラス以外では姿を消しておきましょう」
「……そんなことが」
「ふふっ、出来ますよ。幽霊ですから」
そう言い終わるのと同時にフッと姿を消した。
くそ、何処に行った！？
「大丈夫、私は生徒に危害を加えたりしないわ」
「っ！！？」
気がつけば、彼女は俺の目の前にいて人差し指をそっと俺の口に当てていた。体がないから触られている感覚はないが、なぜか冷たく感じる。
近くで見るとますます分かるな。
目に、光がない。
これが死んだ人間の姿か。
にしても何だ、この
15歳とは思えない妙な存在感は。
「それに昔から彼は……私を倒すことで前に進めると思ってる。ヒーローになるために、私を倒さなければ…と」
黒い髪がハラハラと舞う。
赤い目から、目が逸らせない。
「どんな形であれ勝負を受ける………生前にした爆豪勝己との約束を、私は守るわ」
「…………分かったからとりあえず離れろ」
スゥ…と俺から離れる。
息が詰まりそうな、独特な威圧感だ。
「なるほど、君も引けないってことだね」
「無理を通そうとは思いません。ここは学舎、生徒達のことを第一に考える場所。出来る限りのことをして……それでも納得頂けなければ追い出してください」
「そうか、分かったよ。ただし姿を現していいのは１年ヒーロー科Ａ組と教職員の前だけ、何かする時は相澤くんの許可なしに動いちゃダメだよ。それでもいいかい？」
「充分です……根津校長先生」
なんて奴だ、本当に。
こんなの今まで前例がない。
「相澤先生、よろしくお願いしますね」
末恐ろしい餓鬼だ。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
