第14話 ページ16
第14話
年が明け、雪も降らなくなり２月になった。早いものは既に受験を終え、私も倍率が高いとして有名な東京の私立高校に推薦で合格。
全てが順調で、中学生活もあと僅か。
今日は２月26日。
雄英高校の一般入試だ。彼、爆豪勝己も恐らく今頃雄英についた頃だろう。この結果によって、私は彼と勝負しなければならない。
あの約束以降、彼が私に勝負を申し込むことがなくなった。よっぽど１位で合格するのに自信があるのね。
「Aお嬢様、奥様がお呼びです」
自室で本を読んでいると、襖の向こうから使用人の声が聞こえた。私は「すぐ行くわ」と返事をし本を置く。
ああ、それにしても
彼ほど私に敵対心をぶつけ
限界で倒れても諦めず
勝利に貪欲な人間はいなかった。
どんなに周りを騙そうと利用しようと、完璧な勝利を掴もうとする私。対して彼は、周りが認めざるおえないほどシンプルで偽りのない勝利の掴み方をする。
きっと自覚はないんでしょうけど。
「ふふっ、彼はヒーロー向きね」
シンプルな強さと精神。
なんて、羨ましい。
私の強さは精神は
ヒーロー向きではないから。
もしかしたら私は
彼に憧れでも抱いているんだろうか。
いいえ、違うわね。
単純に私は、きっと……────
気がつけば母の部屋まで着いていた。彼のことばかり考えているなんて、私も重症だ。
「失礼します、お母様。Aです」
「どうぞ…お入りなさい」
私は静かに襖を開ける。
黒い和服に身を包んだ母が、じっとこちらを見た。
.
.
まだ肌寒さの残る２月下旬。
天気も良くて、絶好の雄英受験日和。
今日は、そんな日だった。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
