第26話 ページ29
第26話
「職場体験ね……じゃあまた会えるのは１週間後、といっても私がまだ消えてなかったらだけど」
「生徒会長は職場体験中どうするんですか？」
「流石にヒーロー事務所へは行けないから、家で待機しているわ」
昼休憩、食堂で昼食を食べ終わった俺は教室に戻るとそんな会話が聞こえた。明日から職場体験、俺は親父がやってるエンデヴァーヒーロー事務所に行く。
教室には今帰ってきた俺、そして俺より早く戻ってきていた緑谷と麗日、それから蛙吹と八百万が居た。２人はあの幽霊……鳳憑と話をしている。
この教室以外で姿を現したらいけないんだったな。他の生徒に見つかれば混乱を招くかもしれないから。
「ところで、鳳憑さんは名家である鳳憑家のご息女ですわよね。中学時代も生徒会長を立派にやられていたとか……流石ですわ」
「よく知っているわね、八百万さん」
「当然ですわ、鳳憑家は有名ですもの。私も見習わなくてわ！」
鳳憑は確かに俺達と同い歳とは思えないくらい、異様なまでの落ち着きを持ってる。その立ち居振る舞いは、八百万と同様に気品があってお嬢様って感じだ。
けど、八百万と違う。
どっちかといえば俺と同じ、複雑で色んなものを背負ってきた……そういう奴なんだろう。
「それだけに、これからが無いのは本当に残念ですわ。事故でお亡くなりになったんですよね？」
俺の心臓がドキリと跳ねる。
「…………ええ、そうよ」
チラリと見るとアイツも俺をその赤い目で見ていて目が合う。鳳憑は人差し指を立て、シーッと合図をしてきた。黙ってろってことだ。
人の秘密を言いふらす趣味はねぇけど、これは黙ってていいことなのか？
お家に殺されたのよ。
アイツの言葉を思い出し目を伏せる。
言葉通りの意味なら法律にも関わる問題、いくら本人が黙ってろって言っても放っておくべきなのか分からない。
たった一度しかまともに話した事ない奴の事情に、ズケズケと足を突っ込むべきじゃないのだろうか。
警察はおろか、爆豪にも言うなって言われてるし。
爆豪以外では緑谷が親しいみたいだけど、緑谷が知ったら黙ってないだろうしな。緑谷は絶対どうにかしようと動くはずだ。
どうしたものか、わかんねぇ。
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mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (
レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
mayu0809!(プロフ) - NAOKI様の小説最近見つけて読ませて頂いているのですがどの話も表現が尊くて大好きです！挿絵も沢山入れてくださっているので読みやすくて文字だけの小説読むのが苦手な私にとって有難いです！ (2021年5月22日 13時) (レス) id: 3167097c83 (このIDを非表示/違反報告)
晏(プロフ) - この作品が好きすぎて、何度も見直しています！ 感動しすぎてこれを読む時は、ティッシュが必ず横に置いてあります。 (2021年3月17日 0時) (レス) id: 440a1ef8ed (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 感動です...あれっ、足元に大量のテェィッシュが...笑。素敵な文章ですね！こんな文章が書けるようになりたいです。これからも、応援しています！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 349b1bb88e (このIDを非表示/違反報告)
みゅーう - めっちゃ感動しました。ボロ泣きしました。素敵な作品を書いて頂きありがとうございます！ (2019年7月22日 1時) (レス) id: b0c04a8a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NAOKI
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naoki-/
作成日時：2017年12月15日 7時
