29 す ページ30
｢君は王宮の女官だ。第2王子と接点があっても何らおかしくないからね｣
『そう、です。レオナ様に謝りたくて……』
ルークさんは椅子から立ち上がって、
私のそばに歩み寄る。
「これで全てが繋がったよ。君は王宮でレオナ君の付き人だった。何か事情があって追い出されてしまったんだね」
『はい……』
数分後
私は、一通り王宮であった出来事を話し終えてルークさんの方を見た。
『あの方はきっと、やり場のない怒りを私にぶつけたんです。それに正面から向き合って話し合うべきだったはず………なのに私は』
「君は、レオナ君の“心”の言葉をきちんと聞かずに逃げた。と言いたいのかい？」
ルークさんの言葉がひどく胸に突き刺さる。
彼の言う通り。私は逃げたの。
『…………弱虫なんです』
「………弱虫、君が？」
『………はい。私は、大好きだった人に嫌われたらと思うと怖くて彼の前から逃げました。自分から、出ていきます。と言ったんです』
一通り振り返ったから思い出した。
あの人は、二度と戻ってくるな。の前に、
俺に構うな、と。そう言っただけだった。
それを私が勝手に、嫌われたと解釈して
『おいとまします』と言ってしまったから。
あの時、私はきっと
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『部屋にお茶をお持ちしますから、落ち着いたら気晴らしにピクニックに行きましょう』と。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
気をつかった言葉を言えたら良かった。
『………ルークさん。聞いてくださってありがとうございました。私、行きます』
荷物に手をかけて歩いていく。中庭を突っきって、広大な森へ出た。
「レネ！」
その先へ進もうとすると追いかけてきたルークさんが遠くから声をかけてくる。
「君は弱虫なんかじゃない！とても純粋な美しさをもつ女性だ。きっと、一人でも前へ進んでいける力を持っているよ」
『あ………ありがとうございます！』
「美は強大なパワーになる。外見だけでなく内面にそれを持っていれば尚更さ」
『ルークさん！申し訳ないんですが、美の話はよくわかりません！！！！！！』
「はっはっは、いずれわかるさ！………そうだ！！もう君は私の家へ来ないでくれまえ！」
『え？どうしてですか！！？！』
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華麟(プロフ) - オレオレオさん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年12月15日 22時) (
レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
オレオレオ - すみません、21話が更新されないまま22話が更新されてるんですけど、これはこっちの問題なんでしょうか？ (2020年12月15日 18時) (レス) id: ba06124240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - え、めっちゃ続き気になります！カリム達と出会ってるからルーナも行くのかな？NRC、 (2020年12月11日 16時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Estel | 作成日時：2020年12月5日 23時
