16 し ページ17
「二度と戻ってくるな」
ルーナの顔は見なかった。
あいつは今、どんな顔をしているのか見るのが怖かったからだ。
きっと感情に左右され、怒りまかせに怒鳴りつけた俺に失望した顔をしていると思う。
部屋に戻って、扉の鍵を閉めると強い酒をいつもより多く煽った。
頭はすぐにグラグラしてきて眠気が襲う
「…………………俺は…………バカか………」
ベットの上にのって
洗濯されてなめらかな布にくるまった。
いつの間にか外は暗くなっている。酒を煽ってから何時間経った？全然覚えていない。
布からさわやかな洗剤の香り。そして、ルーナが愛用していた香水の香りがした。
「………いい匂いだ……」
風で窓ガラスが動くと、耳が反応する。あいつが来てくれたと勘違いしちまう。
起こしに来る時、
髪に触れてくる柔らかな指の感触が好きだ。
俺の誕生日を一番に祝ってくれたのが嬉しかった。気持ちが沈んでいた時、そばにいてくれたのが心地よかった。
この星で、もし運命の女性というものが存在するなら………それはきっとルーナだ
『つまずいてしまった時は、勇気を出してください。必ずその勇気は、未来をいい方向にみちびいてくれるんですよ』
ルーナの言葉が耳に残る。
あいつが俺を励ますときに使う言葉すべて、ひびわれた心に水のようにしみこんでいった。
砂浜に波が打ちよせるように………
人が海を眺めていたいと思うように、ルーナのことを自然と目で追っていた。
「……………………皮肉だな。別れた後に自分で気づくなんて、本当に俺はバカだ」
ずっと近くにいて気づかなかった
そうか、そうなんだ
俺は………………ルーナに��恋してる��
あいつと別れたあと、心が苦しい。
ナイフをずっと刺され続けているような気分だ。彼女と一緒にいた時は、くつろげて、いつまでもそばに置いておきたいと思った。
まだルーナはこの王宮にいるだろうか？
考えている暇はない
早く行くんだ
「ッ！まだ行くなっ！！ルーナ！！」
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華麟(プロフ) - オレオレオさん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年12月15日 22時) (
レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
オレオレオ - すみません、21話が更新されないまま22話が更新されてるんですけど、これはこっちの問題なんでしょうか？ (2020年12月15日 18時) (レス) id: ba06124240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - え、めっちゃ続き気になります！カリム達と出会ってるからルーナも行くのかな？NRC、 (2020年12月11日 16時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Estel | 作成日時：2020年12月5日 23時
