12 た ページ13
それからまた数年がすぎ
私が仕事業務にあたっていると、使者からファレナ王のお呼び出しがあると言われた。
『お呼び出し？』
「ああ、レオナ様に今日の14時までには来るようにと伝えておいてくれ」
使者の男は杖をついた老人で随分としわがれた声で話す。
『分かりました。……あ、でもレオナ様を起こしてから向かいますとお伝えください』
「分かった。あのお方は寝起きが悪いゆえ、気をつけるのじゃぞ。砂に変えられるかも……お、おい！？話を聞きなされ！」
老人がそう言おうとするのを、私は無視してさっさとレオナ様の部屋へ行った。優しい方だと思っていたら、あの人も同じ。
��砂に変えられるかも��………？
まだそんな噂がたっている。そんな嘘話は1秒たりとも聞きたくない。
部屋に向かう途中で、銀で作られた桶に顔を洗う用の水を入れる。それからふんわりとしたタオルを持って朝の支度の準備をした。
『よし……準備万端』
フーゥ……とながーい深呼吸をして部屋に突入した。いつものように部屋には洋服とアクセサリーが散乱状態。机には財布や本が置いてある。これは片付けなきゃ。
机の空いたスペースに桶とタオルをおいて、床に落ちている洋服達を飛び越え、やっとのことでだだっ広い部屋の窓側にあるレオナ様のベットにたどり着いた。
『いつも洗濯はカゴに入れてくださいって言ってるのに……あ、シーツもグシャグシャ』
ベットを見る。
そこには大きな薄い毛布の丸まったものがひとつあった。……この中にレオナ様がいる。
『レオナ様、起きてください"昼"です。それから、ファレナ王に呼ばれています』
聞こえているのかいないのか、毛布からでた耳だけがこちらを向いていた。
……いや、これは起きてるな
「……うるせぇ」
あ、起きてた
一応声は出してくれたものの、そこからはお察しの通り。全然起きてくれない。
『起きないと、あれしますからね』
もうこれが最終手段だ。
でも、16歳の少年に【こちょこちょ】なんて効くのかな？一応ダメ押しでやってみよう。
ベットに静かに乗り、毛布の隙間から手を入れて、手でお腹の部分をモミモミした。
するとすぐに彼の耳がピクピク動き、尻尾が左右に動き始める。
「……っ、それやめろ」
『ふふっ、起きましたね』
レオナ様が毛布から顔を出した
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華麟(プロフ) - オレオレオさん» ご指摘ありがとうございます。訂正しました。 (2020年12月15日 22時) (
レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
オレオレオ - すみません、21話が更新されないまま22話が更新されてるんですけど、これはこっちの問題なんでしょうか？ (2020年12月15日 18時) (レス) id: ba06124240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - え、めっちゃ続き気になります！カリム達と出会ってるからルーナも行くのかな？NRC、 (2020年12月11日 16時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Estel | 作成日時：2020年12月5日 23時
